Jadeの購入方法や使い方が知りたいな。
ビットコインを管理できるハードウェアウォレットの中でも、知る人ぞ知るウォレットとしてBlockstream社の「Jade」が挙げられます。
海外ではよく知られており、日本でも一部のビットコイナーに愛用されています。
この記事では、Jadeの買い方や使い方、ビットコインの受取・送金方法を解説するよ。
本記事のざっくりまとめ
- Jadeはビットコイン特化のハードウェアウォレット
- ウォレットの中では比較的安く購入できる上に、初心者でも操作しやすい
- デバイス・シードフレーズ・パスフレーズ・PINコードのいずれも大切に管理し、第三者に知られたり盗まれたりしないように注意する
Jade（ジェイド）とは？
Jade（Blockstream Jade）は、ビットコインの管理に特化したハードウェアウォレットです。
カナダに拠点を持つ企業の「Blockstream」が運営しており、Jadeは2021年から販売されています。
Blockstream社の創業者は、ビットコイン初期の頃から技術発展に貢献しているAdam Back氏です。
Blockstream社はウォレットの他、ビットコイン衛星の「Blockstream Satellite」（インターネット接続がない地域でもビットコインネットワークにアクセスできる）や、サイドチェーンのLiquid Networkを手掛けています。
Blockstream社といえば、スローガンに掲げている「Don't Trust. Verify」が広く知られているね。
Jadeのことはあまり知らなかったけど、Blockstream社はビットコイナーの間では有名な企業なんだね。
Jadeの特徴
Jadeはダイヤルを左右に動かして操作するタイプのデバイスで、小型ながらカラーディスプレイ・バッテリー・QRコードスキャナーを搭載しています。
インターネットに接続せずにビットコインを保管する「エアギャップ・トランザクション」に対応しているのも特徴です。
| Blockstream Jade | |
|---|---|
| 価格※ | 64.99ドル（約10,400円） |
| 発売年 | 2021年 |
| サイズ（mm） | 60mm x 24mm x 17mm |
| 重さ | 約21g |
| 電源供給方法 | USB接続／バッテリー駆動可能 |
| 接続 | USB-C／Bluetooth／QRコード |
| 操作方法 | ダイヤル（クイックホイール） ＋ボタン（アプリケーションボタン） |
| QRコードスキャナー | ○ |
| カラー | 5色 |
※円換算は2024年7月時点の為替レートで算出
※送料は別途発生
ビットコイン対応のウォレットは100ドルを超えるものが多いから、Jadeはかなりお手頃価格だね！
ウォレットの中でも比較的操作しやすいし、初心者にも使いやすいと思うよ。
購入時の注意点
Jadeは必ず公式サイトで購入してください。
一度開封されたハードウェアウォレットには、何らかの不正行為が行われている可能性があるため非常に危険です。
中古品を扱うフリマアプリはもちろん、販売元の信頼性に欠けるECサイトも利用を避けましょう。
自分の大事な資産を管理するウォレットなんだし、買った時点ですでにアウト！っていうのは絶対に避けたいね。
Jadeの公式サイト
Jadeの公式サイトにアクセスする際は偽サイトに注意しましょう。
以下のURLから飛ぶ場合も、表示されるURLを確認した上で利用してください。
Jadeの公式サイト(Blockstream)
TwitterのBlockstream公式アカウントのリンクから飛ぶ場合は、公式アカウントが本物かどうかも気を付けないといけないね。
見識の深いビットコイナーが多くフォローしているアカウントかどうか、チェックするのが良さそうだよ。
Jadeの購入方法
公式サイトにアクセスし、欲しいデバイスを選んで購入します。
公式サイトは現時点では日本語完全対応ではないので、英語が苦手な方はGoogle翻訳などを併用してください。
購入の流れ
- 希望のカラーを選んで「Add to cart」をクリック
- 確認事項をチェックして「Checkout」をクリック
- Eメールアドレス・電話番号・配送先住所・配送方法・支払い方法などを入力
- 注文内容や利用規約などを確認して注文する
なお、筆者（Minami）がJadeを買った時期※の配送料は20ドル（約3200円）だったんだけど、7月中旬にもう一度見たら4800円になっていたよ。
入荷待ちだったから予約をして、大体1か月くらいで届いた感じだったね。※2024年5月末頃
届いたJadeを確認
Jadeが届いたら、箱に開封された形跡がないかを確認し、中身をチェックします。
Jadeの内容物
- Jade本体
- USB-Cケーブル
- 説明書
- リカバリーシート
- Compact SeedQR（2枚）
外箱には、一度はがすと跡が残るタイプのテープが貼られているんだね。
なお、Jadeの初期設定をする際は、時間にゆとりを持って慌てずに行うことを強く推奨するよ。
初期設定自体は30分～1時間くらいでできるけど、送金テストなどもひっくるめたら、2時間くらいは見ておいた方がいいかもしれないね。
Jadeの使い方
Jadeの初期設定方法や使い方が知りたいな！
ハードウェアウォレットに慣れていない人向けに、Jadeのシンプルな使い方を解説するよ。
エアギャップ運用は少しハードルが上がるから、エアギャップについて知りたい人は以下の記事をチェックしてね。
Jadeで完全エアギャップBitcoin送金 オフラインで生成した秘密鍵を一瞬たりともネットにさらさずBitcoinトランザクションに署名する方法
ロストイン・ビットコインの記事で、執筆者はkatakotoさんです。
以下の解説は2024年7月時点でのものです。
実際に利用する際は最新の情報を確認し、サイトやデバイスに表示された内容をよく読みながら、正しくJadeを使ってください。
なお、解説文の英語はGoogle翻訳を使って翻訳したものを載せています。
Blockstream Greenアプリをダウンロードする
まずはデバイスを接続するウォレットを準備します。
Jadeと互換性のあるウォレット
- Blockstream Green
- Sparrow
- Nunchuk
- BlueWallet など
今回はJade開発元が提供しているBlockstream Greenを利用するよ。
iOSアプリ名はGreen: Bitcoin Wallet、提供元はBlockstream（2024年7月時点）
公式サイトからアプリダウンロードに進む場合は「Blockstream Green」→「Download Now」と進む
Blockstream Greenアプリの設定方法
- 利用規約とプライバシーポリシーを確認してチェックマークを入れ、「Get Started」をタップ
- データ収集について選択（ここでは「データを収集しない」を選択）
英語表示の内容
How do you want to secure your funds? （資金をどのように保護しますか?）
On This Device（このデバイスの場合）
Your phone will store the keys to your bitcoin, PIN protected.
お使いの携帯電話に、PIN で保護されたビットコインのキーが保存されます。
For Ease Of Use（使いやすさのため）
On Hardware Wallet（ハードウェア ウォレットの場合）
Youe keys will be secured on a dedicated cold storage device, PIN protected.
キーは専用のコールド ストレージ デバイスに保存され、PIN で保護されます。
For Higher Security（セキュリティを強化するため）
「On Hardware Wallet」を選択して、Bluetoothの使用を許可して次に進もう。
「Jadeを接続する」をタップした後に表示される、右上の「セットアップガイド」も見ておくといいよ。
Jadeを起動する
JadeをUSB-Cケーブルでパソコンに接続すると、充電が始まるともに電源が入ります。
画面左下に表示される「uninitialized（まだ初期化されていない）」は、一連のセットアップが済んでいないことを意味します。
「Setup Jade」の画面で決定ボタンを押して先に進みます。
デバイスの表示内容
For setup instructions visit blockstream.com/jade
（セットアップ手順については、blockstream.com/jade をご覧ください。）
→Continue（続く）で進む
セットアップ方法を選択
Begin Setup（セットアップの開始）：簡単にセットアップでき、多くのユーザーに推奨される方法。
Advanced Setup（高度なセットアップ）：BIP39 パスフレーズと SeedQR オプションが表示される。
公式サイトでは、Advanced Setup（高度なセットアップ）について「複雑さが増すと資金が失われる可能性が増すため、ユーザーは影響を十分に理解している場合のみ選択してください」という記載があったよ。
この記事ではシンプルにできる「Begin Setup」で進めるよ。
セットアップ方法を選択
Create New Wallet（新しいウォレットを作成）：新しいリカバリーフレーズが生成される
Restore Wallet（ウォレットを復元）：以前に別のウォレットで使用した既存のリカバリーフレーズを入力する
今回は新しいウォレットを作るから「Create New Wallet」を選んだよ。
デバイスの表示内容
These words are your wallet. Keep them protected and offline.
これらの言葉はあなたの財布です。保護し、オフラインで保管してください。
→Continueで進む
リカバリーフレーズを確認
表示される12のリカバリーフレーズ（Recovery Phrase）をメモに書き留め、大切に保管します。
写真を撮ったりオンラインで保存したりするのは、情報が流出する恐れがあるため避けてください。
リカバリーフレーズが分からなくなると、自分のビットコインにアクセスできなくなってしまうし、第三者に知られたら資産が流出してしまうんだ。
他の人に知られてはいけないし、緊急時以外は他のデバイスに入力しないようにしよう。
次に、リカバリーフレーズの確認作業を行います。
記録したリカバリーフレーズと一致する順番の単語を選びましょう。
例えばConfirm word1（単語1を確認）という画面では、ダイヤルを左右に動かして1番目に記録した単語を表示させ、決定ボタンを押してください。
12単語全部ではなく、指定された順番の単語をいくつか質問される形式なんだね。
コンパニオンアプリに接続
続いて、コンパニオンアプリに接続します。
コンパニオンアプリ…スマホなどの端末にインストールして、ネットワークに接続された電気製品・周辺機器などと連携して利用するためのアプリ
今回はBlockstream Greenを使います。
コンパニオンアプリへの接続方法を選ぶ
- USB
- Bluetooth
- QRコード
デバイスの表示内容
Select jade [英数字] on the companion app to pair it.
コンパニオンアプリでjade [英数字]を選択してペアリングします。
デバイスに表示されている英数字と、スマホ画面に表示されている英数字が一致しているかを確認したら、スマホアプリで表示されたデバイスをタップします。
ペアリング
スマホ画面：
Bluetoothペアリングの要求が出たら、画面表示を確認してペアリングする
デバイス画面の英語訳：
Confirm Authentication（認証を確認）
Value:○○○○○○（値）
Deny（拒否）
Confirm（確認）
Confirmを押して先に進もう。
PINコードを設定
スマホ画面に沿って進んでいくと、デバイスのPINコードを入力する画面に移ります。
6文字のPINコードを設定し、こちらも厳重に管理しましょう。
スマホアプリ画面で「Jadeの新しいファームウェアがあります」と表示されたら、アップデートをあわせて行いましょう。
スマホとデバイスに表示されているHashが同じことを確認して、デバイスのチェックマークで決定ボタンを押してください。
デバイスの左下が「initialized（初期化された）」に変わったら、デバイス設定はひととおり完了だよ。
アカウントを作成
スマホとデバイスの連携のために、BluetoothペアリングとPINコードの入力を再度行い、スマホアプリの方でアカウントを作成します。
セキュリティポリシーを選択
Standard：Cheaper singlesig option. Address are Native SegWit Bech32.
（訳：より安価なシングルシグオプション。アドレスはネイティブ SegWit Bech32 です。）
2FA Protected：Quick setup 2FA account, ideal for active spenders (2FA expires if you don’t move funds for 1 year).
（訳：2FA アカウントのセットアップが迅速で、アクティブな支出者に最適です (1 年間資金を移動しないと 2FA は期限切れになります)。）
今回は「Standard」を選んだよ。
使用目的やセキュリティのニーズに合わせて選択しよう。
パスフレーズを設定する
パスフレーズとは、リカバリーシードに加えてユーザーが追加で入力できる任意の文字列です。
万が一リカバリーシードが流出したとしても、パスフレーズが設定されていれば即座に資金を奪われることを防ぐことができ、資金を失う前に他のウォレットに移動させられる可能性が高まります。
同じリカバリーフレーズを使用していても、「パスフレーズ有り」「パスフレーズ無し」というようにパスフレーズの有無によって別々のウォレットとして扱われます。
日常的な取引や少額の資金の保管にはパスフレーズ無し、大きな金額や長期間の保管にはパスフレーズ有りのウォレットを使う、といった使い分けも可能です。
パスフレーズについて
- 少なくとも12文字以上が推奨される
- 大文字・小文字・数字・記号を組み合わせる
- 個人情報や簡単な単語は避ける
- 辞書に載っている単語だけで構成しないようにする
まずはパスフレーズ無しの状態で操作に慣れて、パスフレーズやセキュリティについての理解を深めてから導入するのも有りかもしれないね。
パスフレーズの設定は、Jadeをアンロックしていない状態（デバイスの左下の表示がActiveではなくIntializedになっている状態）で行います。
一度電源を切り、再度電源を入れてアンロック状態にしたら、Options→BIP39 Passphraseに進みましょう。
デバイスの表示内容
Frequency（ログイン時にパスフレーズを要求する頻度）：
Never（なし）／Once（一度）／Always（いつも）
Method（方法）：
Manual（手動）／WordList（単語リスト）
Manual…特定の文字を1つずつ入力できるキーボードが表示される
WordList…ランダムな単語の連続を選択できる（公式サイトの確認を推奨。「WordList メソッドの動作がよくわからない場合は、手動入力を使用することをお勧めします」との記載有り）
Once（一度）を選ぶ場合は、パスフレーズを入力する場合に毎回オプションでOnceを選んで入力する。（パスフレーズを使っているという事実を隠す）
今回はOnce／Manualで進めるけど、自分の考えや使い方に合わせて変更してね。
パスフレーズを入力してアンロックすると、画面右下の数字が最初に設定した時と違うものになるんだね。
パスフレーズを入力すると別のウォレットの扱いになるから、アプリでも再度アカウントを作成しよう。
ビットコインの受け取り方
Blockstream Greenアプリを起動し、「受け取る」をタップすると、ビットコインアドレスが表示されます。
送付元（取引所や別のウォレットなど）の送付先アドレスに読み込ませ、送付元の操作を行えばOKです。
送付元の操作の例
セルフカストディウォレットからの場合：
送付するビットコインの数量設定、手数料の確認など
取引所からの場合：ビットコインの数量設定、ウォレットアドレスの登録、送付目的の設定、各種認証など
仮想通貨の受け取りをしたことがある人なら、Jadeでの受け取りも問題なくできそうだね！
Blockstream Greenはある程度日本語で表示されるし、ハードウェアウォレットの中でも操作しやすいと思うよ。
取引所からのビットコイン送金手順については、以下の記事でご確認ください。
関連記事：Ledger Nano（レジャーナノ）の使い方！ビットコインを管理できるハードウェアウォレットの購入方法を解説
関連記事：Trezor（トレザー）の使い方！ビットコインを管理できる仮想通貨ウォレットを解説
ビットコインの送付方法
Blockstream Greenアプリの「送金」をタップすると、送付先のビットコインアドレスを入力する画面に移ります。
貼り付けボタンやQRコードのスキャンを行い、送付先のアドレスを入力します。
送金額を入力・手数料を確認して次に進みます。
送り先のアドレスが正しいかどうかをよく確認し、下部のボタンをスライドして送金しましょう。
Jadeのデバイス上で、ビットコインアドレスと送付量が一致しているかどうかの確認を行います。
チェックマークを選択すれば、署名されたトランザクション（取引）がBlockstream Greenに送り返され、ビットコインブロックチェーンにデータが送られます。
送金が完全に完了するには、少し待つ必要があるんだね。
アプリが結構見やすくて、慣れていなくても何となく操作できそうな感じはするんだけど、送り先のアドレスが間違っていないどうかはしっかり確認するんだよ。
リカバリーフレーズの保管方法について
BlockstreamのShopでも、リカバリーフレーズを守るアイテムが販売されています。
リカバリーフレーズを失うことはビットコインを失うことを意味するため、安全な場所に確実に保管する必要があります。
スマホやパソコンなど、インターネット経由で流出する恐れのあるデバイスでの保管は避けてください。
安全性を徹底的に高めようと考える場合、紙のメモでは火事で燃えたり、水にぬれて読めなくなったりする懸念が生まれます。
セルフカストディを重んじるビットコイナーに広く用いられているのは、強度や耐熱性・耐食性に優れる金属板です。
リカバリーフレーズを保護するための金属板は数千円～1万円前後の購入費がかかるけど、いざという時のことを考えると大事なツールなんだね。
リカバリーフレーズの保管方法については、以下の記事をあわせて確認するといいよ。
関連記事：【ビットコイン】リカバリーフレーズ保管方法！秘密鍵・パスフレーズとの違いや注意点を解説
【まとめ】Jadeで自分のビットコインを管理しよう！
Jade・ポイントまとめ
- Jadeはビットコイン特化のハードウェアウォレット
- ウォレットの中では比較的安く購入できる上に、初心者でも操作しやすい
- デバイス・シードフレーズ・パスフレーズ・PINコードのいずれも大切に管理し、第三者に知られたり盗まれたりしないように注意する
Jadeを使えばビットコインのセルフカストディができるんだね！
敷居が高いと思われがちなセルフカストディだけど、やってみると意外とそうでもないんだよ。
ビットコインを自分で管理することで、ビットコインへの理解が一層深まるから、ぜひ挑戦してみてね。
ビットコインって何だか難しそうだけど、他にも色々知りたいなって思ったよ。
ビットコインについて、もっと知っとこ！
関連記事：COLDCARD Qの使い方！ビットコイン特化のハードウェアウォレットを解説
関連記事：【イラスト解説】ビットコインって何？仕組みや何に使えるのかを初心者向けにわかりやすく解説
関連記事：【漫画】ビットコインの仕組みを図解で分かりやすく解説【初心者向け】
執筆者：Shigeru Minami
「知っとこ！ビットコイン図鑑」制作者。
ビットコイングッズのハンドメイド作家として活動中。