ビットコインには危険性があるって聞いたけど、どんな危険性があるんだろう?
ビットコインは投資対象としての側面が強く、売買のタイミングによっては損失を負うリスクがあります。
また、新しい技術を活用していることから、今後ビットコインに起こり得る問題を指摘する声も見られます。
この記事では、ビットコイン投資の危険性や、ビットコイン自体の危険性について分かりやすく解説するよ。
ビットコイン投資の危険性
ビットコイン投資は危険すぎるって意見も聞くんだけど、一体何が危険なんだろう…?
ビットコイン投資の危険性について、3つの例を解説するよ。
価格の値動きで損をする危険性
どの金融資産にも言えることですが、投資は売買を行うタイミングによっては損をする可能性があります。
他の金融資産に比べ、ビットコインは価格の値動き(ボラティリティ)が大きいため、利益・損失ともに大きくなりやすい点に注意が必要です。
株式市場などの伝統的な金融市場には、価格の急激な変動を抑制する「サーキットブレーカー」や「ストップ高/ストップ安」の制度があるよ。
一方、仮想通貨市場には価格の急変を制限する、公式的な仕組みは特に設けられていないんだ。
仮想通貨市場だと休みなく24時間取引ができるし、下落する時はとことん下落するっていうことが起きやすいのかもしれないね。
ハッキングの危険性
ビットコインは管理の仕方を誤るとハッキングによって奪われてしまう恐れがあります。
悪意あるハッカーがセキュリティ対策の薄いホットウォレットを狙い、仮想通貨取引所のウォレットや個人ウォレットから仮想通貨を盗む事例が多発しています。
取引所で保管していた仮想通貨がハッキングされたとしても、補償が確約されている訳ではありません。
また、個人ウォレットで管理する場合には仮想通貨に対する知識を付ける必要があり、セキュリティ意識の向上が必須です。
ビットコインそのものではなく、ビットコインを保管する方法に問題があることでハッキングが起きてしまうんだ。
ビットコインのハッキングというのは、ビットコイン自体の技術に問題がある訳ではないんだね。
例えるなら、大量の資金を「体当たりで簡単に壊れそうな扉の先に保管している」というような状態かもしれないよ…。
関連記事:ビットコインのハッキング事件|なぜ流出?日本の取引所で起きた仮想通貨の盗難
詐欺に遭う危険性
投資詐欺やお金配り詐欺など、近年ではビットコインを使った詐欺行為が発生しています。
「元本保証」「高年利」などをうたって資産を集める詐欺師には注意が必要です。
ビットコイン詐欺の手口(例)
- 「ビットコインに投資すると儲かるから、私(or特定の取引所)にビットコインを送って」と伝え、ビットコインを奪う
- ビットコインのマイニングや自動売買ツールなどに投資を促し、お金を奪ったりマルチ商法に誘導したりする
- 一斉送信の詐欺メールを使った振り込め詐欺
ビットコイン自体は詐欺ではないんだけど、残念ながらビットコインを悪用している詐欺師がいるんだ。
ビットコインは世界各国で法的に認められて、法定通貨として採用している国もあるんだね。
でも、ビットコインが詐欺に使われてるっていう事件を聞いて、「ビットコイン自体が怪しい」って思っちゃう人もいる気がするなぁ。
関連記事:ビットコインは詐欺なのか?詐欺事件の手口・仮想通貨が詐欺と言われる原因を解説
関連記事:ビットコイン事件簿まとめ!死亡者が出た日本の事例を紹介
ビットコインの危険性に関する一問一答
ビットコインの危険性について、もう少し詳しく知りたいな。
一問一答形式で、ビットコインの危険性について解説するよ。
ビットコイン自体に危険性が見つかる可能性はある?
あらゆる技術的なシステムと同じように、ビットコインにも危険性が見つかる可能性も理論上は存在します。
ビットコインは誕生当初、ビザンチン障害※を本当に克服できたのかを懸念されていましたが、過去のビットコインに対する無数の攻撃は全て失敗に終わっており、深刻な欠陥はすでに発見・改修されています。
また、ビットコインの開発者は何年も前から量子コンピュータ(桁違いの処理能力を持つコンピュータ)の脅威を認識しており、量子コンピュータが実用化された場合の対応策も研究中です。
参考書籍「ビットコイン、強気にならずにはいられない理由」/著:Vijay Boyapati/訳:練木照子
ビットコインは誕生した翌年に脆弱性が発見されているけど、すぐに修正されているんだね。
たくさんの攻撃を受けているけど、ブロックチェーンが完全に停止したことがないのはすごいなぁ。
ビットコインのコードは全て公開されているから、潜在的な問題は発見されやすく、世界中に散らばる開発者やコミュニティによる迅速な対応ができるんだ。
それでも、ビットコインに危険性が見つかる可能性はゼロではないということは覚えておこう。
ビザンチン障害については「ビットコインの仕組み」で解説しています。
ビットコインが他の仮想通貨に取って代わられる危険性は?
ビットコインを真似したコインは次々に登場していますが、ビットコインは後続のコインとは比較できないほどの市場シェアを持っています。
特定の機能・用途に特化したコインは今後も増えていく可能性があるものの、ビットコインの分散性・希少性の高さを模倣するのは非常に困難です。
また、ビットコインの採用する「PoW」と、他のコインの多くが採用する「PoS」は性質が大きく異なり、耐改ざん性に優れるビットコインは確固たる地位を築いています。
「ビットコインは環境に悪い!この〇〇コインは環境に優しい!」っていう宣伝をよく聞くけど…
ビットコインは悪意ある攻撃を防ぐために、あえて膨大な計算が必要な仕組みを使っているんだ。
大きなエネルギーを消費しているのは確かだけど、最近では再生可能エネルギーの利用も進んでいるよ。
関連記事:プルーフオブワークとは?ビットコインのPoWとPoSの違いをわかりやすく解説
関連記事:ビットコイン以外の仮想通貨の方がおすすめなのか?安い銘柄のお値打ち感に要注意
ビットコインが国家から止められる危険性は?
Youtubeチャンネル「ビットコイナー反省会」の東晃慈氏は、ビットコインが国家から止められる可能性について、動画内で以下のように話しています。
「国家はビットコインを止めることが本当に出来るのか?」
ビットコインを止めるっていうことは、国家からしたら昔は比較的簡単にできたと思うんですけど。
時間が経つにつれて、ビットコインの規模が大きくなってきたりとか、保有者も拡大して、政府が完全に止めるというか、つぶすっていうのは非常に難しくなってきている、というのが今の状況だと思っています。(一部抜粋)
代表的な攻撃シナリオ(アメリカ・中国レベルの政府を想定)
- マイニング関連の部分を攻撃する
→巨大マイナーの機具を差し押さえて51%攻撃を行うのはコスト的に安上がりではない。マイニングプールを差し押さえたとしても、個人のマイナーが別のプールに移動すればいいので、あまり効果的な攻撃ではないのではないか。1つの国でマイニングを禁止したとしても、他の国に移っていく - 保有の禁止・法律で取引を制限する
→2017年に中国がいきなり中国国内の取引所を停止させたことがある。1933年にアメリカがゴールドの保有を禁止した事例もあり、似たようなことがビットコインでも起こるという主張は理解はできる。ビットコインは取引所から引き出しさえしてしまえば自己保管できるので、没収するのは難しいのではないか - 情報操作をする・開発者や関係者にプレッシャーをかける
→印象を操作して価格を下げたり、保有者が増えないようにしたりする(環境問題からの視点からの批判が盛り上がっている)。メディアに圧力をかけてビットコインの普及を妨げたり、特定のコインの普及を一時的に盛り上げたりすることは比較的低コストでできる
2017年にブロックサイズのディベート論争があり、外部からのプレッシャーがあったが、圧力を受け付けなかったことがある。外部の影響から中立を保てる耐性を過去に示しており、圧力に負けたり訳の分からない形に変更されたりする可能性は低いのではないか
(一部抜粋)
「ビットコインの違法化」などの行為は、世界中の国家が同時に協調してやらないと効果が薄い可能性があるよね。
仮に1つの国が批判的な立場を取った場合、別の大国が逆方向に動く可能性があるんだ。
確かに、中国は仮想通貨を禁止しているけど、アメリカは仮想通貨の開発や規制の整備、企業のビットコイン保有も広がっているね。
ビットコインの開発や導入で得られるメリットが大きいなら、破壊が難しいビットコインネットワークに攻撃する必要性は低いかもしれないよ。
関連記事:ビットコインのマイニングとは?現在の報酬や終了時期・やり方や仕組みを紹介
関連記事:ビットコインの終わりの日って何のこと?想定シナリオが実際に起こり得るのかを解説
リスク資産のビットコインに投資する人がいる理由
ビットコインは危険性も指摘されているけど、それでもビットコインに投資する人がいるのはどうしてだろう?
これまでの金融資産にはない、ビットコインの独自の特徴に期待している人が多くいるんだ。
自分で管理できる新しい資産
ビットコインは中央銀行や企業などの中央管理者なしで動く、「分散型ネットワーク」を使った新しい資産です。
※分散型…集権型(1か所に権力が集中する)の反対の意味で用いられる
管理者の一存で出金を禁じられたり、口座を凍結されたりすることはありません。
ビットコインを使えば中央管理者を通さずに、直接相手に送金できます。
世界では、自国の不安定さから「政府や銀行が信用できない」という状況に追いやられている人がたくさんいるみたい…。
そういう人にとって、ビットコインは自分で管理できる新しい資産なのかもしれないね。
スマホとインターネットに接続できる環境があれば誰でも利用できるし、国境を越えて使うこともできるんだ。
関連記事:【イラスト解説】ビットコインって何?仕組みや何に使えるのかを初心者向けにわかりやすく解説
発行量が限られており希少価値がある
ビットコインにはあらかじめ発行上限が設けられており、2100万枚を超えるビットコインが作られることはありません。
発行上限があるため、法定通貨のような過剰発行によるインフレ(通貨の価値が下がること)を抑えられます。
発行量に限りがあるため、金のような希少性を持ち、価値が保たれると考えられています。
ビットコインの発行上限って、簡単に変更できたりはしないの?
2100万枚の発行上限はビットコインの基本的なルールの1つで、このルールを買えるには世界中の大多数のコンピューターの同意が必要だよ。
発行上限を変えるのは極めて難しいからこそ、ビットコインに価値があると考えている人もいるんだ。
長期的な価格上昇が期待されている
ビットコインは高騰と暴落を繰り返しつつも、長期的に見ると価格を大きく上昇させてきました。
ビットコイン関連の技術開発やマイニング事業などが拡大している他、決済手段や法定通貨としての活用も期待されています。
今後の需要増加に伴い、さらなる価格上昇を見込んでいる投資家も多くいます。
2010年に初めて価格がついた時は、1枚1円以下だったんだ。
発行から10年後には40万円台を推移していて、2021年には760万円台を記録したよ。
これからビットコインに投資する人が増えていけば、市場がさらに拡大して価格に良い影響があるかもしれないね!
関連記事:ビットコインの価格推移!10年以上の歴史をグラフ付きで解説
【初心者向け】ビットコイン投資で失敗しやすいミス
ビットコイン投資で初心者が失敗しがちなミスってあるのかな?
ありがちなミスとして、価格の値動きに焦って売ってしまったり、危険な管理方法を選んでしまったり、というのが挙げられるよ。
【注意】初心者はやめたほうがいい投資方法
初心者が失敗しやすいミスとして、価格の暴落に伴う狼狽売りが挙げられます。
ビットコインは価格の値動きが大きいため、多少の下落に動じずにHODL(長期保有)する力が必要です。
※狼狽売り…相場の急落に動揺して売却してしまうこと
また、投資に慣れていない人が避けるべき投資方法として、短期間でのトレードやレバレッジ取引が挙げられます。
初心者はやめたほうがいい投資方法
- 短期トレード
→短期間の価格予想は非常に難しく、市場への知識やトレード経験が必要 - レバレッジ取引
→投資金額以上の資産で取引する手法で、大きな損失・あっという間に資産を失うリスクがある - レンディング
→仮想通貨を貸し出して利回りを得る手法で、貸出先のデフォルト(債務不履行)によって資金を失うリスクがある
短期トレードやレバレッジ投資は、熟練のトレーダーがやっているイメージだよ。
初心者が無理に始めるのはやめたほうがいいかもしれないね。
ビットコインの長期的な価格上昇を期待しているなら、長期投資や積立投資のような長いスパンで取り組める投資方法を選ぶといいよ。
関連記事:「ビットコインはやめたほうがいい」論に物申す!よくある批判を初心者向けにわかりやすく解説
送金先を間違えてビットコインを失う
ビットコインを他のウォレットに送金する際は、送金先のアドレスを間違えないように気を付ける必要があります。
一旦ビットコインを送金すると取り消しはできず、返却を要求するのは非常に困難です。
送金する際はアドレスに誤りがないかどうかを確認し、慌てずに送金作業を行ってください。
アドレスはコピー&ペーストしたり、QRコードを利用したりして、手動での入力ミスを避けるのが良さそうだね。
大きな金額を送金する場合は、少額のテスト送金を行って正しく届くかどうかを確認するのが大切だよ。
危険すぎる保管方法の例
ビットコインはハッキングによる流出事件が起きているため、保管方法には注意が必要です。
- セキュリティ対策の甘いウォレットでの保管
→ホットウォレット管理の仮想通貨取引所・個人ウォレットが狙われている - 大量のビットコインを1つのウォレットで保管
→資産を一か所に集中させてしまうと、ハッキング・アクセス情報を失った際にすべての資産を失うリスクがある - 秘密鍵の流出
→詐欺アカウントや詐欺サイトなどを経由して秘密鍵が流出し、ビットコインを奪われる - 取引所の経営破綻
→口座からビットコインを出金できなくなるリスクがある
仮想通貨はオンライン管理の「ホットウォレット」よりも、オフライン管理の「コールドウォレット」の方が安全なんだ。
ホットウォレットで大量のビットコインを管理するのはとても危険だよ。
初心者で少額だけビットコインを買うなら、まずは仮想通貨取引所で保管するのがいいかもしれないね。
ビットコインに慣れてきて、大きめの額のビットコインを購入する場合は個人のウォレットを使うのが良さそうだよ!
関連記事:ビットコインのハッキング事件|なぜ流出?日本の取引所で起きた仮想通貨の盗難
【まとめ】危険性を踏まえた上でビットコイン投資を検討しよう
ビットコインの危険性・ポイントまとめ
- ビットコイン投資の危険性として、価格の値動きによって損をするリスクやハッキングに遭う危険性が挙げられる
- ビットコインのシステムに危険性が見つかる可能性は、理論上はゼロではない。しかし、世界中に散らばる開発者やコミュニティによる迅速な対応がなされる可能性もある
- 初心者がやりがちなミスとして、価格の急落に伴う狼狽売りが挙げられる
ビットコインは長い目で見ると価格の上昇が期待されているけど、色々な危険性があることも忘れてはいけないね。
ビットコイン自体に問題が起こる可能性はゼロではないけど、これまでも様々な外部の攻撃や圧力を跳ねのけてきている、ということは覚えておこう。
ビットコインって何だか難しそうだし、よく分からないから何となく不安だったけど、他にも色々知りたいなって思ったよ。
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執筆者:Shigeru Minami
「知っとこ!ビットコイン図鑑」制作者。
ビットコイングッズのハンドメイド作家として活動中。