ビットコインに少し興味があるけど、「やめたほうがいい」っていう意見も聞くからちょっと心配…。
ビットコインに対し、一部では「何となく怪しい」「価値がそのうちなくなるだろう」といった声が見られます。
しかし、これらを鵜呑みにしてビットコインを批判したり、存在を無視したりするのは早計と言えます。
この記事では、「ビットコインはやめたほうがいい」という論調に対する反論を、初心者にも分かりやすく述べていくよ。
本記事のざっくりまとめ
- ビットコイン市場は世界で拡大しており、今からビットコインが無価値になるシナリオは現実的とは言えない
- ビットコインを悪用した詐欺が発生しているものの、ビットコイン自体が詐欺商品という訳ではない
- 「投資は損をするから危険」という考え方もあるが、日本円が弱くなっている現状、日本円で全財産を貯蓄し続けるリスクにも目を向ける必要がある
「ビットコインはやめたほうがいい」説に1つずつ反論
ビットコインはやめた方がいいって聞くけど、本当のところはどうなんだろう?
ビットコインに対する批判的な意見について、1つずつ反論していくよ。
「価値がなくなるからやめたほうがいい」説
「ビットコインってまだあるの?」って言っている人を見かけたけど…
日本はビットコインへの関心がまだまだ薄いよね…
でも、世界ではどんどん市場が拡大しているし、今から無価値になるシナリオはかなり非現実的じゃないかな。
ビットコインは国際送金のしやすさや拡張性の高さなど、これまでの資産にはなかった特性を持っています。
希少性や将来性に魅力を感じる人の中には、「自国通貨よりもビットコインを持っていたい」と考える人もいるのです。
なお、2024年にはアメリカでのビットコイン現物ETFが承認され、ゴールドや石油と同じく「コモディティ(商品)」として取引されています。
世界最大の資産運用会社「ブラックロック」などでの取り扱いが始まっており、ビットコインに関する市場は今後さらに拡大すると考えられています。
でも、「ビットコインは価値の裏付けがないから危険」っていう意見も聞いたことがあるよ。
「価値の裏付けがない」論については、円やドルなどの法定通貨には価値の裏付けがあるのかな?というところから説明したいな。
詳しくはビットコインの有識者である東晃慈氏へのインタビュー記事をチェックしてみてね。
関連記事:ビットコインはなぜ価値がある?有識者にインタビュー【価値がなくなる可能性は?】
「仮想通貨は怪しいからやめたほうがいい」説
仮想通貨って、何だか変な勧誘をしている人が多い気がするなぁ…。
主に取引所のアフィリエイト報酬を目的とした勧誘や、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)購入の勧誘をする人がよくいるのは確かだね。
仮想通貨に関するビジネスは広く行われており、中にはメディア・ブログ記事やSNS上で怪しげな発信を行う人・企業も存在します。
- 仮想通貨取引所のアフィリエイト訴求
→「この取引所への登録がおすすめ!」とサイト上に記載し、読者がアフィリエイトリンクから登録した場合、1件につき数千円~1万円以上の報酬が得られる - アルトコインの勧誘
→「ビットコインよりも高性能!」などの宣伝文句で投資を呼び込むことで、アルトコイン運営元からマーケティング報酬が得られる。アルトコインの中には運営元や関係者の利益追求を目的としたプロジェクトも多数存在する
ビットコインはアルトコインと違って運営元がいないから、ビットコインを宣伝したとしても報酬がもらえるわけじゃないんだね。
ビットコインは仮想通貨の中でも別格なんだけど、日本だとビットコインもアルトコインも同じように扱われている感があるのはちょっと残念だよ。
アメリカではビットコインはコモディティとしてとらえられているけど、アルトコインは法的な扱いが不明確で、「証券じゃないか?」という議論も起きていているんだ。
「一般の人をカモにして、運営元が儲けようとしている仮想通貨は怪しい!」っていうのは、割と普通の気持ちな気がしてきたよ。
そこにビットコインもひっくるめて考えている人とか、メディアが多いのかもしれないね。
関連記事:ビットコインとアルトコインの違いは?有識者にインタビュー【どっちが人気?】
関連記事:ビットコインを勉強するならメディアを疑え!仮想通貨サイトの問題点や独自の勉強方法を解説
「詐欺っぽいからやめたほうがいい」説
ビットコインは詐欺も起きているって聞いたことがあるけど…。
声を大にして言いたいんだけど、ビットコイン自体は詐欺ではないよ。
現金が犯罪に使われるように、ビットコインも詐欺に悪用されることがあるんだけど、だからといって「ビットコインが詐欺っぽい」と考えるのはちょっと待ってほしいな。
ビットコインを使った詐欺は確かに行われていますが、ビットコイン自体が詐欺商品という訳ではありません。
ビットコインを悪用した詐欺の例
- 詐欺メールでビットコインを要求
- ビットコイン投資詐欺・マルチ商法
- SNSでのビットコイン配り詐欺
不動産投資詐欺とか、還付金詐欺とかが世間では起きているけど、不動産も還付金もそれ自体は詐欺ではないよね。
同じように、ビットコインもそれ自体が詐欺ではなくて、悪用する人がいるってことなんだ。
日本でもメルカリ・楽天・LINEとか、有名な企業がビットコイン関連の事業を行っているんだね。
ビットコイン自体が詐欺商品だったら、さすがに大企業がビットコイン事業に乗り出したりはしなさそうだよ。
日本ではあまり知られていないけど、世界では様々な企業がビットコイン関連事業に取り組んでいるし、活用事例も広がっているよ。
エルサルバドルやスイスのルガーノ市では、ビットコインが法定通貨として採用されているんだ。
関連記事:ビットコインは詐欺なのか?詐欺事件の手口・仮想通貨が詐欺と言われる原因を解説
関連記事:世界でのビットコイン活用方法!実用性のある13の活用事例を紹介
「投資は損をするからやめたほうがいい」説
でも、ビットコインに投資したら損をする可能性だってあるよね?
リスクがあるのはちょっと怖いなぁ…。
「投資は悪」っていう考えを持つ人が、日本には結構いるような気はするんだけど。
でも、日本円がどんどん弱くなっている現状、日本円で全財産を貯蓄し続けるのもリスクがあるってことにも気付いてほしいな。
ビットコインは大きく値動きしながら価格を上昇させてきたものの、売買のタイミングによっては損をする可能性があるのは事実です。
投資に慣れていない人が短期的な値動きだけを見て利益を得るのは難しいため、数年単位の投資だと考えて行うのが望ましいです。
なお、自国通貨のインフレが著しいトルコやアルゼンチンでは、インフレ対策としてビットコインを買う人も多くいます。
インフレ…ものの値段が全体的に上がり、お金の価値が下がること
ビットコインには2100万枚の発行上限があり、希少価値のある資産・貯蓄するための資産としてビットコインを選ぶ動きも起きています。
でも、ビットコインの発行上限って簡単に変えられるんじゃないの?
デジタルなんだし、ちょっとポチっとすれば増やせそうな気がするけど…
発行上限を変えるには、ビットコインのネットワーク上のノードの大多数の賛成が必要なんだけど、これはとても現実的ではないんだよ。
ノード…ビットコインネットワークに参加するコンピュータ。世界中に17,000以上のノードが存在する他、誰でもノードに参加できる
ビットコインに深く関わっている人は、発行上限があるビットコインに価値を感じているから、根本を覆すような変更は難しいんだ。
発行上限の変更は非現実的だけど、「理論上は発行上限を変えられる」っていう言葉だけを切り取って、ビットコインのリスクとして主張している人もいるんだね。
関連記事:ビットコインの価格推移!10年以上の歴史をグラフ付きで解説
関連記事:ビットコインを昔買ってたら?10年前に買ってたら何倍になったのか解説
「ハッキングリスクがあるからやめたほうがいい」説
ビットコインがハッキングされて、大量に盗まれた事件が起きたことがあると聞いたけど…
仮想通貨を大量に保管する取引所が狙われて、ハッキングされてしまった事件は確かに起きているよ。
ビットコインは自分で管理できる資産だから、自分自身の手で正しく管理しよう。
仮想通貨のずさんな管理を行っていた取引所がサイバー攻撃を受けたり、DeFi(分散型金融)の脆弱性が突かれたりして、大量の資金が流出する被害が起きているのは事実です。
攻撃を受けやすいプラットフォームの利用を避け、個人でビットコインを正しく管理すればハッキングリスクを下げられます。
「個人でビットコインを管理するのが心配」という人もいるかもしれないけれど…ウォレットを正しく使ったり、セキュリティ意識を身につけたりすれば、そこまで難しいことではないんだよ。
変なアルトコイン・怪しげな分散型プラットフォーム・エアドロップなどには手を出さないようにするのも大事だね。
最近のハッキング事件はDeFiで起きているケースが多いんだね。
目先の利回りや報酬につられて変なことを試すんじゃなくて、王道の保管方法を試した方が良さそうだよ。
関連記事:ビットコインのハッキング事件|なぜ流出?日本の取引所で起きた仮想通貨の盗難
「税金がかかるからやめたほうがいい」説
でも、ビットコインって税金がかかるんだよね?
どのような投資でも、利益が出たら税金の申告が必要なんだ。
現状のビットコインの税金は株式に比べると不利だけど、だからといって「ビットコイン投資は悪」という結論にするのはちょっと違うと思うよ。
「ビットコインは半分が税金で持っていかれる」といった発信もありますが、50%以上の税金が課されるのは所得金額が数千万単位の人に限られており、一般的な人が年間で得る所得金額とは言えません。
また、ビットコインは購入するだけなら税金はかからないため、短期的な売買を行わなければ税金を申告する義務が発生しません。
税金がよく分からないから、投資はちょっと不安だなって思ってたけど…。
日本円が弱くなっていて、投資についても真面目に考えなきゃいけないなって気がするよ。
「税金がかかるから」という理由でビットコインを避けるんじゃなくて、税金や投資について調べるきっかけにするのも良いんじゃないかな。
「51%攻撃を受けるからやめたほうがいい」説
ビットコインは51%攻撃を受けるって聞いたことがあるんだけど、よく分からないし何か不安…
結論、ビットコインへの51%攻撃は現実的ではないよ。
51%攻撃とは、悪意のあるマイナーがハッシュレートの51%を支配し、二重支払いを実行できるようにすることです。
※マイナー…マイニングに参加する人々
※マイニング(採掘)…ネットワーク上で行われる取引を確認してブロックチェーンに正しく書き込み、報酬としてビットコインを得る仕組み
※ハッシュレート…マイニング1秒あたりの計算力・採掘速度
ビットコイン以外の仮想通貨において、過去に51%攻撃が起きた事例はあるのは確かです。
しかし、ビットコインへの51%攻撃を1時間行うのに必要なコストは数億円規模にのぼる上、攻撃が止まればネットワークは正常な状態に戻るため、技術的・経済的に見てもビットコインへの51 %攻撃は非現実的と言えます。
有識者を自称する人が「51%攻撃が~」って言うことがあるけど、専門家っぽくアピールしたいとか、ビットコインの印象を下げて他のプロジェクトへの注目を高めたいとか、そういうケースもあるんだね。
何も知らない初心者に向けて「ビットコインは51%攻撃が起こるからやめたほうがいい」って言ってる人がいたら、ちょっと警戒した方が良さそうだよ。
51%攻撃については専門用語が多いからここでは割愛するけど、詳しく知りたい人は以下の記事を読んでみてね。
関連記事:ビットコインの51%攻撃とは?仕組みや実例・対策をわかりやすく解説
「ビットコインはやめとけ」論に関連する一問一答
ビットコインについて、もう少し色々知っておきたいな。
「ビットコインはやめとけ」論に関連した話題を紹介するよ。
ビットコインで死亡者が出た事例は?
日本でおきたビットコイン絡みの事件として、投資セミナーや運用ビジネスを発端とした事件が挙げられます。
また、海外ではフォロワー90万人以上の仮想通貨インフルエンサーが死亡するなど、様々な事件が起きています。
投資系のビジネスはトラブルの元になりやすいから、できるだけ近付かない方がいいよ。
マルチ商法など、自分が加害者になってしまうケースもあるんだ。
ビットコインに投資するなら、「誰かに頼んで運用してもらう!」とかじゃなくて、自分自身で買わないといけないね。
関連記事:ビットコイン事件簿まとめ!死亡者が出た日本の事例を紹介
ビットコイン投資のリスクと失敗例は?
最近はビットコインへの注目度の高さを利用し、「ビットコイン関連の〇〇プロジェクト」を名乗って資金を集めようとする運営元が増えています。
「ビットコイン関連のトークン・NFT・エアドロップ・レイヤー2」など、トレンド用語を入れてマーケティングを行うプロジェクトには注意が必要です。
仮想通貨投資のよくある失敗例として、「SNSの爆益報告を見て焦ってしまい、何となく良さそうだと思ったアルトコインを衝動的に買ってしまう」というケースが挙げられるよ。
SNSの発信者に影響を受けて資金を突っ込むのはリスクが高すぎるよね…
関連記事:ビットコイン投資のリスクと失敗例!ビットコイン関連のスキャムに要注意
関連記事:ビットコインのレイヤー2に要注意!バズワードやエアドロップに踊らされるな
ビットコイン否定派の著名人は?
ビットコインに批判的な著名人として、日本ではひろゆき氏が知られています。
過去にビットコインに否定的な発言をした著名人
- ひろゆき氏
→2024年のYoutube動画において、「51%攻撃で、やった人が分かりません、みたいのがバンバン出ると、ビットコインは構造上よくないよね、別の仮想通貨に代わっていく、というのはあるんじゃないかと思います」と発信 - 日銀の黒田元総裁
→2021年のインタビューにおいて「裏付け資産を持っていないため、値動きが激しく、基本的に決済手段としてはほとんど利用されていない」と発信 - ウォーレン・バフェット氏
→2018年のバークシャーハサウェイ株主総会において、ビットコインは「殺鼠剤の2乗のようなもの」と発言。
2023年には「ビットコインには本質的な価値がない。しかし、ルーレットを回したいと思う人が居るのは止むを得ないことだ」と発信
なお、ビットコインを大量に購入している米企業・マイクロストラテジー社のマイケル・セイラー氏は、2013年にはビットコインに懐疑的な発信をしていたんだ。
過去に否定的な立場を取っていた人の中には、ビットコイン市場の拡大とともに考えを変えた人もいるんだよ。
「ビットコインはやめたほうがいい」っていうのはよく聞くけど…
もしかしたら、ビットコインを買わない理由を探している人が多いから、「ビットコインはやめたほうがいい」っていう発信をする人がいるのかなって思ったよ。
関連記事:ビットコインの危険性は?ビットコイン自体のリスク・やめたほうがいい投資方法を解説
【まとめ】「ビットコインはやめたほうがいい」論に物申す!
ポイントまとめ
- ビットコイン市場は世界で拡大しており、今からビットコインが無価値になるシナリオは現実的とは言えない
- ビットコインを悪用した詐欺が発生しているものの、ビットコイン自体が詐欺商品という訳ではない
- 「投資は損をするから危険」という考え方もあるが、日本円が弱くなっている現状、日本円で全財産を貯蓄し続けるリスクにも目を向ける必要がある
「ビットコインはどうせ価値がなくなる」とか、理解しようともせずに、間違った情報をもとにして否定する人もいるけど…
そういう人には、分かってくれとは言わないから、批判せずにそっとしておいてほしいなって思っちゃったよ。
海外ではビットコインについての理解が少しずつ広がっているのに、日本は数年遅れになりそうなのが歯がゆいよね。
「いきなりビットコインを買うのはハードルが高い」という考えの人もいるだろうし、まずは正しい知識を知ることから始めてほしいな。
本サイトの名前だって、「買っとこ!」じゃなくて「知っとこ!ビットコイン図鑑」だよね。
まずはビットコインについて、正しい知識をもっと知っとこ!
関連記事:【イラスト解説】ビットコインって何?仕組みや何に使えるのかを初心者向けにわかりやすく解説
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執筆者:Shigeru Minami
「知っとこ!ビットコイン図鑑」制作者。
ビットコイングッズのハンドメイド作家として活動中。