ハードウェアウォレットのことを色々知りたいな。
ハードウェアウォレットはビットコインをセルフカストディ(自己管理)するためのデバイスです。
国内取引所にビットコインを置いたままにすると、自由な出庫が制限される可能性や、ハッキングによってビットコインでの返還が行われない可能性があります。
「日本の取引所はハッキングを受けても補填してくれる」という声もありますが、ビットコインの価格が以前よりも高くなっている現状、確実に取引所が全てを補填してくれるとは限りません。
取引所だけに依存せず、少しずつ自己管理を始めるためにも、ハードウェアウォレットについて知識を得ることをおすすめします。
この記事では、記事執筆者(Minami)が個人的に選ぶ、おすすめのハードウェアウォレットを紹介するよ。
本記事のざっくりまとめ
- ColdcardはMicroSDカードを使ったエアギャップ運用ができるビットコイン特化ウォレット
- Jadeはスマホアプリが日本語に対応しているビットコイン特化ウォレット
- Trezorはハードウェアウォレット市場を古くから牽引している仮想通貨ウォレット
ハードウェアウォレットとは?
ハードウェアウォレットとは、ビットコインや仮想通貨を安全に管理※するための専用デバイスのことです。
※厳密にはビットコインそのものを保管しているのではなく、ビットコインへのアクセスに必要な「秘密鍵」を保管するツールを指す
ウォレットの種類
- ホットウォレット
…インターネットに常時接続されている。手軽に使えるがハッキングやマルウェア攻撃などのリスクが上がる - コールドウォレット
…インターネットから切り離されている。デバイスの費用がかかるが、ハッキングやウイルスのリスクを抑えられる
(ハードウェアウォレットはコールドウォレットに分類される)
ハードウェアウォレットってパソコンにつないで使うみたいだけど、それってインターネットに接続しているわけではないの?
ウォレット内部の秘密鍵は、常にデバイス内で管理されていて、インターネット経由で外部に送信されることはないよ。
秘密鍵を使った署名はデバイス内で行われるんだ。
おすすめのハードウェアウォレット
本記事の執筆者(Minami)のおすすめするハードウェアウォレットは何かな?
執筆者(Minami)制作のYoutube動画
上記動画の要点
- おすすめはColdcard Q。
- 2台持つ想定ならColdcard Q+JadeかTrezor
※2025年1月時点の意見
あくまでも執筆者(Minami)個人の意見です。
ハードウェアウォレットを選ぶ際は必ず公式サイトを確認し、ビットコインに詳しい人の意見を複数探した上で、自己判断のもと選択するようお願いいたします。
新しいハードウェアウォレットも日進月歩で開発されているし、その一方で情報流出などの事件が発生していることもあるから、購入時は必ず最新の情報を確認しよう。
ハードウェアウォレットの価格を比較
ハードウェアウォレットって高いんだね!
ただ、あまり知られていないような安いウォレットは、詐欺ウォレットの可能性もあるから推奨しないよ。
なるほど~。あっ、どのウォレットも海外配送だから送料が高いなぁ…
公式の認可がないサイト(例:楽天・メルカリ)などを使ってしまうと、前の所有者に秘密鍵を記録されているような中古ウォレットを買わされる恐れがあるから、必ず公式サイトから購入しよう。
ビットコイン特化のハードウェアウォレット
他のアルトコインは管理しないから、ビットコイン特化のウォレットがほしいなぁ。
ビットコイン特化のハードウェアウォレットは、ColdcardやJadeが知られているよ。
Coldcard
Coldcard(コールドカード)はカナダに拠点を持つCoinkiteが販売している、ビットコイン特化のハードウェアウォレットです。
物理的なセキュアエレメントを2個搭載してセキュリティを高めている他、MicroSDカードを使ったエアギャップ運用※ができるのも特徴です。
※エアギャップ…インターネットとの直接的な接続を行わない状態。ネット経由の攻撃のリスクを大幅に軽減できる
Coldcard Mk4・Coldcard Qの比較
COLDCARD Mk4 | COLDCARD Q | |
---|---|---|
価格※ | 157.94ドル(約24,600円) | 219.99ドル(約34,300円) |
発売年 | Mk4:2022年 (Mk1:2018年) | 2024年 |
電源供給方法 | 主にUSB接続 | 主に電池(USB接続も可) |
接続 | USB-C/MicroSDカード | USB-C/MicroSDカード |
操作方法 | 12のボタンで操作 | キーボードで操作 |
備考 | QRコード対応 |
※円換算は2025年1月時点の為替レートで算出
Coldcard Qは電池で動くんだね!QRコードにも対応しているよ。
なお、Coinkite創業者のNVKはビットコインマキシマリスト※として知られていて、分散型SNSのNostrでも活動しているんだ。
※ビットコインこそが唯一価値を持つ仮想通貨だと信じている人・グループを表す言葉
関連記事:COLDCARD Qの使い方!ビットコイン特化のハードウェアウォレットを解説
Jade
Jade(ジェイド)はカナダに拠点を持つ企業の「Blockstream」が販売する、ビットコイン特化のハードウェアウォレットです。
QRコードを使ったエアギャップ運用に対応している他、日本語対応のスマホアプリ(Blockstream Green)を利用できます。
Jade ClassicとJade Plusの比較
Jade Classic | Jade Plus | |
---|---|---|
価格 | 12,700円 | 23,800円 |
発売年 | 2021年 | 2025年 |
電源供給方法 | USB接続/バッテリー駆動可能 | USB接続/バッテリー駆動可能 |
接続 | USB-C/Bluetooth | SDカード/USB-C/Bluetooth |
操作方法 | ダイヤル+決定ボタン | 2ボタン+決定ボタン |
備考 | QRコード対応 | 大型スクリーン/QRコード対応 |
カラーディスプレイ・バッテリー搭載のウォレットなんだね!
ちなみにBlockstream創業者のAdam Backは、ビットコイン初期の頃から技術発展に貢献していて広く知られているんだ。
関連記事:Jadeの使い方!ビットコイン特化のハードウェアウォレットを解説
日本で有名なハードウェアウォレット
日本で有名なウォレットは何だろう?
ビットコイン・アルトコインの両方を管理できるウォレットとして、よく名前が挙げられるのはTrezorとLedgerだね。
アルトコインのステーキングやNFT管理にも対応しているものもあるみたいだよ。
Trezor
Trezor Safe 5 | Trezor Safe 3 | Trezor Model One | |
---|---|---|---|
価格※ | 169ドル(約26,400円) | 79ドル(約12,300円) | 49ドル(約7,600円) |
発売年 | 2024年 | 2023年 | 2014年 |
操作方法 | タッチスクリーン | 2ボタン式 | 2ボタン式 |
備考 | 最上位モデル カラータッチスクリーン | Model Oneの後継機 セキュリティと操作性が向上 | 初代モデルでシンプルな設計 |
※円換算は2025年1月時点の為替レートで算出
Trezor(トレザー)はチェコに拠点を置くSatoshiLabs社が販売するハードウェアウォレットです。
2014年に世界初のビットコインハードウェアウォレットを販売しており、歴史の長さから利用者の声が多く見られます。
Trezorはオープンソースを重視していることで知られているよ。
オープンソースは「ソフトウェアやハードウェアの設計を公開すること」で、セキュリティの弱い部分やバッグドアの有無を誰もが検証できるんだ。
オープンソースは透明性が高い上に、仮に問題が見つかったとしても改善速度が速まるかもしれないんだね!
関連記事:Trezor(トレザー)の使い方!ビットコインを管理できる仮想通貨ウォレットを解説
Ledger
Ledger(レジャー)はフランスに拠点を持つLedger 社が販売するハードウェアウォレットです。
公式サイトが日本語に対応しており、購入しやすい特徴があります。
Ledgerはかなり有名なウォレットなんだけど、ビットコイン好きの人の中にはLedgerに懐疑的な意見を持つ人もいるから、詳しくは自分で情報をググってみてね。
関連記事:Ledger Nano(レジャーナノ)の使い方!ビットコインを管理できるハードウェアウォレットの購入方法を解説
自作するハードウェアウォレット
ハードウェアウォレットって自作できるの?
そうだよ。透明性を追求する人や、配送中の不正行為・プライバシー流出などを強く警戒している人の中には、SeedSignerを活用している人もいるんだ。
自作するハードウェアウォレットは、オープンソースプロジェクトの公式サイトに記載された必要な部品リスト・組み立て手順を見ながら、自分でハードウェアウォレットを組み立てます。
SeedSignerは署名機能に特化しており、シードを本体内に保存しないため、オンライン環境におけるハッキング・マルウェア攻撃から完全に隔離されているのが特徴です。
電子回路やソフトウェアに関する知識が必要になるためハードルは高めですが、ビットコインへの理解をより深められるメリットもあります。
SeedSigner については、ルノルミンさんのSpotlightのブログにて分かりやすく書かれています。
外部リンク:SeedSignerを作ろう!
ハードウェアウォレットの使い方
ハードウェアウォレットを利用する際はデバイスのセットアップを行い、ファームウェアや専用アプリをダウンロードします。
また、リカバリーフレーズやパスフレーズ・PINコードなどを安全に管理する必要があります。
各ハードウェアウォレットの使い方は以下の記事を参照
関連記事:COLDCARD Qの使い方
関連記事:Jadeの使い方
関連記事:Trezor(トレザー)の使い方
ハードウェアウォレットに関する一問一答
ハードウェアウォレットについて、もう少し色々知っておきたいな。
一問一答形式で、ハードウェアウォレットに関する疑問に答えるよ。
ハードウェアウォレットの用語説明
シードフレーズ・秘密鍵など、ビットコインの管理に関する用語説明は以下の記事にまとめています。
関連記事:リカバリーフレーズ保管方法!秘密鍵・パスフレーズとの違いや注意点を解説
ハードウェアウォレットが壊れたらどうする?
ハードウェアウォレットが壊れた場合は、新しいデバイスを用意すればウォレットを復元できます。
リカバリーフレーズやパスフレーズが無事なら、デバイスが故障しても何とかなるんだね!
ハードウェアウォレットに送ったら税金はかかる?
自分の資産内でビットコインを移動する場合、例えば取引所から自分のウォレットへビットコインを送金する場合は、税金は発生しません。
ただし、他の人のウォレットにビットコインを送る場合は、所得税や贈与税などの税金が発生する可能性があります。
日本製のハードウェアウォレットはある?
今現在、日本製のハードウェアウォレットで広く利用されているものはないため、日本製かどうかにこだわらずにウォレットを探すことをおすすめします。
ハードウェアウォレットの正規代理店は?
ウォレット公式サイトの正規代理店ページを確認し、最新の情報をチェックしてください。
正規代理店の利用を検討している場合は、ウォレット公式サイトのリンクから正規代理店のサイトに飛び、詐欺サイト・詐欺業者ではないかどうかをよく確認した上で判断しましょう。
Ledgerの正規代理店
https://www.ledger.com/ja/reseller
Trezorの正規代理店
https://trezor.io/resellers
Coldcardの正規代理店
https://coinkite.com/resellers
Jadeの正規代理店
https://blockstream.com/resellers/
なお、Ledgerは以前日本の正規代理店があったんだけど、2024年時点でビックカメラ・ヤマダ電機・ヨドバシカメラは販売終了した模様だよ。
ハードウェアウォレットに送金する方法は?
受け取り用のビットコインアドレスを生成し、取引所や他のウォレットなどからビットコインを送金します。
詳しくはビットコイン図鑑の各ウォレット記事や、下記の動画を見てね。
【まとめ】ハードウェアウォレットで自分のビットコインを管理できる!
ハードウェアウォレット・ポイントまとめ
- ColdcardはMicroSDカードを使ったエアギャップ運用ができるビットコイン特化ウォレット
- Jadeはスマホアプリが日本語に対応しているビットコイン特化ウォレット
- Trezorはハードウェアウォレット市場を古くから牽引している仮想通貨ウォレット
ビットコイン特化ウォレットにはColdcardやJade、アルトコインにも対応している有名なウォレットにはTrezorやLedgerがあるんだね。
セキュリティ面やデバイスの価格など、人によって何を基準に選ぶかはそれぞれだね。
購入を検討する際は、公式の最新情報や利用者の声、懸念材料がないかどうかなどをしっかり調べた上で、自分自身で最終判断を行おう。
ビットコインは難しそうなこともたくさんあるけど、自分で管理するって考えると、他にも色々勉強したいなって思えてくるね。
ビットコインについて、もっと知っとこ!
執筆者:Shigeru Minami
「知っとこ!ビットコイン図鑑」制作者。
ビットコイングッズのハンドメイド作家として活動中。
関連記事:【イラスト解説】ビットコインって何?仕組みや何に使えるのかを初心者向けにわかりやすく解説
関連記事:【漫画】ビットコインの仕組みを図解で分かりやすく解説【初心者向け】
<免責事項>
ウォレットを購入・操作する際は、必ず公式のドキュメントや有識者の最新の発信をご確認ください。
本記事は参考情報としてご活用いただき、最終的な判断および行動はご自身の責任で行うようお願いいたします。