ビットコインって何に使えるの?
お金もうけのイメージがあるけど、他の使い道があるとも聞いたよ。
価格の上げ下げが話題になりやすいビットコインですが、実は投資以外にも様々な使い道が登場しています。
「管理者を通す必要がなく手数料が安い」「1円以下の送金ができる」など、ビットコインならではの特徴を生かしたサービス開発が行われています。
この記事では、ビットコインが何に使えるかを「日常生活」「投資」「上級者向け」に分けて紹介するよ。
監修者:東晃慈
2014年の黎明期からビットコイン関連事業に取り組む国内業界の草分け的存在の一人。
Diamond Hands共同創業者/YouTubeチャンネル「ビットコイナー反省会」運営
ビットコインは何に使える?日常生活での使い道
ビットコインはインターネット上でやり取りできる資産で、誰かに送ったり、買い物に使ったりできます。
これまでの現金や電子マネーと違い、ビットコインは銀行や送金業者を通す必要がありません。
そのため、手数料が安く、スピーディに利用できます。
ビットコインは円やドルとは違った、独自の特徴があるお金なんだね。
ビットコインの使い道について、まずは日常生活で何に使えるかを紹介するよ。
- 手数料の安い国際送金
- 急を要する被災地への寄付
- 店頭・オンラインショップの決済
- SNSで1円以下のチップを投げ合う
- 法定通貨として利用する国もある
手数料の安い国際送金
ビットコインはスマホやパソコン、インターネット環境があれば、世界中のどこでも・誰にでも送金できるよ。
法定通貨を海外に送る場合、銀行などの金融機関を通す必要があり、銀行手数料や中間銀行手数料などのコストが発生します。
一方、ビットコインは送り先のビットコインアドレスさえ分かっていれば、安く素早く、相手に直接ビットコインを送金可能です。
出稼ぎ労働者による自国への国際送金や、国境を越えたグローバル企業で働く労働者への給与支払いなどに利用されています。
銀行口座を持たない途上国の人たちも、ビットコイン送金なら利用できるかもしれないんだね!
関連記事:世界でのビットコイン活用方法!実用性のある13の活用事例を紹介
急を要する被災地への寄付
自然災害・武力紛争など、迅速な支援が必要な被災地に対してビットコインを使った寄付が行われることもあります。
ビットコインは被災地に直接送金できるため、仲介機関を挟まず短時間で送り先へ送金可能です。
被災地が仮想通貨の寄付を受け付けており、ウォレットアドレスが公開されている場合は、誰でもすぐにビットコインを寄付できます。
上記の画像は、執筆者(Minami)が実際にビットコインを寄付した時の記録だよ。
取引所から送ることもできるし、自分のビットコインウォレットから直接送金することもできるんだ。
被災地に直接支援ができるのはすごいね!
困っている人にすぐに届くのは便利そうだよ。
店頭・オンラインショップの決済
ビットコインで買い物ができる
渋谷で@ch0meji さんのキッチンカーで人生初BTC Lightning決済DONE!
— 初期ちゃん (@icchinakka) September 28, 2023
ユースケース提供されてる方ほんと凄い。@ch0meji さん、ありがとうございました!#BTC #LN#LightningNetwork pic.twitter.com/1gQKjY0xUU
お店での買い物やオンラインショッピングなど、決済手段としてビットコインを導入する店舗が増えています。
世界共通の通貨であるビットコインは、海外でも両替なしでそのまま決済できるのが特徴です。
外国人観光客や新しい顧客層の獲得を狙って、ビットコイン決済を受け付ける個人店舗やキッチンカーも登場しています。
上記のツイートは日本でビットコイン決済が使われている様子なんだね。
電子マネーと似た感覚で、少し待つだけで決済が完了しているよ!
ビットコインの「ライトニングネットワーク」という技術を使った、安くて素早い決済の仕組みが開発されているんだ。
高円寺で行われたライトニングフリマ
高円寺ライトニングフリマでBTC LN決済をたくさんしてきました。思った以上に盛り上がっていてビットコイナーのパワーを感じました。#高円寺ライトニングフリマ pic.twitter.com/J4lqTOLY5Q
— BBB(本物) (@project_bbb) November 19, 2023
初めてのLN決済!うれしい#高円寺ライトニングフリマ #bitcoin pic.twitter.com/ukyvfcexpB
— とうにゅう (@tonyu_stepn) November 19, 2023
高円寺BTCライトニング決済体験したぜ、PayPayくらいの早さ#高円寺ライトニングフリマ pic.twitter.com/gT0Zpi3Qcj
— 仮想NISHI (@Nishi8maru) November 19, 2023
関連記事:ライトニングマルシェとは?ビットコイン好きな人々の草の根活動を紹介
SNSで1円以下のチップを投げ合う
気軽に投げ銭できる
Sending Zaps on Nostr using Kollider Wallet.
— Kollider⚡ (@kollider_trade) February 13, 2023
Instant, global, p2p value transfer. In just a few clicks. Natively integrated into a decentralized social network.
The possibilities are mindblowing 🤯 pic.twitter.com/yF5M9IF1wB
分散型SNSアプリの「Nostr」では、1Sats(=0.00000001ビットコイン)単位で気軽にチップを投げられます。
※分散型…中央集権型の反対。管理者が存在せず、複数のコンピュータが散らばってデータを共有している
ビットコインは超少額決済ができる「マイクロペイメント」の開発が行われており、1Sat(1円以下)の単位で投げ銭が可能です。
Twitterにいいねを押す感覚で投げ銭したり、動画での生配信中にチップを投げたりできる仕組みも考案されています。
これまでの支払いシステムでは、超少額決済はコストを考えると非現実的だったんだ。
これまでのお金とは違う、独自の特徴を持ったビットコインでの開発が進められているよ。
「ビットコイナー反省会」の生配信中には、リアルタイムでのビットコイン投げ銭も行われているんだね!
法定通貨として利用する国もある
ビットコイン決済のQRコードが設置されている
中央アメリカのエルサルバドルでは、国が認めた「法定通貨」としてビットコインが利用されています。
一部のお店では、ビットコインを使った決済が可能です。
まだ広く普及はしていないものの、ビットコインの知名度は極めて高く、ビットコイン教育のために海外企業が進出する動きも見られます。
世界で初めてビットコインを法定通貨化したエルサルバドルで、どのような使い道が広がっていくのかに注目だね。
ビットコインは何に使える?投資家向けの使い道
ビットコインは日常生活で使えるのは知らなかったよ。
けど、やっぱり買ったり売ったりして利益を得ようとする人が多そうだよね。
ビットコインの投資家の中には、売買の他にもビットコインを活用している人もいるよ。
- ビットコイン売買で利益を狙う
- 貸し出しサービスで利回りを得る
- インフレに強い資産として長期保有する
ビットコイン売買で利益を狙う
株やゴールドなどの金融商品に比べ、ビットコインは値動きが激しい(ボラティリティが高い)ため、投資対象としてビットコインのトレードを行う人が多くいます。
ビットコインを安い時期に買い、価格が上昇した時期に売れば、値上がりした分の利益を入手可能です。
1日の間に売買を行う短期トレードを行う人もいれば、ビットコインの高騰に期待して数年単位で売買する人もいます。
他の金融商品に比べて、どうしてビットコインは値動きが激しいんだろう?
例えばゴールドは昔から多くの人が売買していて、価値が高いと考える人も多いから、価格が安定しているよ。
一方、ビットコインは2009年に登場したばかりの新しい通貨で、まだ市場が十分に成熟していない側面があるんだ。
関連記事:ビットコインの価格推移!10年以上の歴史をグラフ付きで解説
貸し出しサービスで利回りを得る
ビットコインは貸し出しサービスの「レンディング」を使って、運用(資産を上手に使用すること)が可能です。
レンディングとは保有している仮想通貨を貸し出して利回りを得る投資手法のことで、国内の仮想通貨取引所などが年率1~5%前後のサービスを提供しています。
購入したビットコインで運用益を狙う人の中には、レンディングサービスを活用している人もいます。
レンディングをすればビットコインの保有枚数を増やせるけど、サービスの運営元が破綻した場合に資産を失うリスクがある点も覚えておこう。
インフレに強い資産として長期保有する
ビットコインは2100万枚の発行上限があり、インフレ対策として長期保有する人もいる通貨です。
円やドルなどの一般的な通貨は、国の政策によって発行量が増えることで、通貨の価値が下がる「インフレ」を起こします。
一方、ビットコインは上限を超えて発行できない仕組みであり、埋蔵量が限られているゴールドのような希少価値を持つと考える人もいます。
インフレが起こると「100円で買えたアイスが170円に値上がりする」というように、これまでと同じ金額では商品を買えなくなるんだ。
日本円の価値が下がった場合、貯金している日本円の価値も下がってしまうよ。
「円だけを保有するのはリスクがある」と考える人の中には、ビットコインなどの金融資産に分散して保有する人もいるんだね。
【有識者に聞いてみた】ビットコインは何に使える?上級者編
ビットコインは一般の人にも、投資家の人にも使われているんだね。
ところで、ビットコインにとても詳しい技術者の人は、ビットコインを何に使うんだろう?
ビットコイン事業に2014年から関わっている東晃慈氏に、ビットコインの活用方法を聞いてみたよ。
- プログラムできる性質を生かす
- 価格が安定しているステーブルコインを発行
- 画像データを保存する
プログラムできる性質を生かす
ビットコインのネットワークにはプログラムできる性質(プログラマビリティ)があり、機械やコンピュータを自動的に動かしたり、特定のルールに従わせたりできます。
ビットコインは「人間同士で売買・送金する」というイメージが強いですが、コンピュータやIoTなど非人間同士でのやり取りを行う仕組みも開発が進んでいます。
IoT…「モノのインターネット」。車や冷蔵庫など様々なモノをインターネットに接続する仕組み
また、ビットコインのネットワークには新しい機能を追加できる「機能拡張性」があり、将来的にさらなるシステムが追加される可能性があります。
プログラムできる性質を生かした開発例
- 電気自動車の充電認証
→低手数料で「いつ・誰が」充電したかが分かるため、集合住宅のオーナー等も導入しやすい - AIによる決済通貨
→ビットコインはデジタル化されている&誰でも利用できる通貨であり、自動化されたAIのシステムがビットコインを使用する可能性がある
中央管理者なしで24時間動く、セキュリティの高い通貨として、ビットコインのネットワークが注目されているんだ。
非人間同士で通貨が自動でやり取りされる未来が来るなら、ビットコインは確かに相性が良いかもしれないね。
関連記事:【漫画】ビットコインの仕組みを図解で分かりやすく解説【初心者向け】
価格が安定しているステーブルコインを発行
最近では、ビットコインネットワークでステーブルコインを発行できるようになりました。
ステーブルコイン?
ステーブルコインは価格が安定しているコインのことだよ。
ドルなどの通貨と価格が連動していて、買い物や送金に使いやすいんだ。
ビットコインを素早く送金できる「ライトニングネットワーク」を使い、ビットコインネットワーク上でステーブルコインを使えるようになりました。
これまでブロックチェーン技術の世界で行われていたステーブルコインの発行や取引が、ビットコインでもできるようになったのです。
ドルや円など様々なステーブルコインのやり取りを、セキュリティの高いビットコインネットワークでできるようになるかもしれません。
価格の変動が激しいビットコインよりも、常に1ドルの価値を保っているステーブルコインの方が決済に使いやすいかもしれないね!
即時決済の技術も進んでいるし、世界中の通貨がビットコインネットワークで取引されるようになったら面白いよね。
画像データを保存する
ビットコインネットワークを使って画像データを保存する「Ordinals(オーディナル)」も開発されています。
???
ビットコインのブロックチェーン上に画像データを記録すれば、ビットコインが存在する限り誰でも画像を確認できるんだ。
Ordinals(オーディナル)はビットコインのメインネットワークにデータを書き込む技術です。
ブロックチェーンの世界で開発されている「NFT」という仕組みが、ビットコインでも利用できるようになりました。
※NFT…偽造や改ざんが難しい、売買できるデジタルデータ
なお、Ordinalsはビットコインネットワークの混雑を起こしやすく、技術者の間でも賛否両論がある仕組みです。
現状では投機的な目的で利用されるケースが主流ですが、ビットコインネットワークの活用事例として注目する人も多くいます。
「ビットコイン」というコインだけじゃなくて、「ビットコインのネットワーク」が様々な開発に使われているのは面白いね。
新しい技術が登場して、一般の人も知らないうちにビットコインネットワークを使う日が来るかもしれないよ。
関連記事:Ordinalsとは?賛否あるビットコインNFTの特徴や買い方を解説
【まとめ】ビットコインは何に使える?
ビットコインの使い道
- 日常生活向け
→送金・寄付・決済・投げ銭 - 投資家向け
→売買・貸し出し・長期保有 - 開発者向け
→ビットコインネットワークを活用
ビットコインは売買してお金を得るためのコインだと思っていたけど、他にもいろいろな使い道があるんだね!
国際送金やネットショッピングの買い物とか、両替せずに国を越えて送れるのは知らなかったよ。
中央管理者なしで素早く送金できる、ビットコインならではの仕組みを生かした使い道が登場しているんだ。
今後のビットコイン開発の進展もぜひチェックしてみてね。
ビットコインって何だか難しそうな気がしていたけど、もしかしたらもっと身近な存在になるかもしれないし、他にも色々知っておきたいなって思ったよ。
ビットコインについて、もっと知っとこ!
執筆者:Shigeru Minami
「知っとこ!ビットコイン図鑑」制作者。
ビットコイングッズのハンドメイド作家として活動中。