ビットコインの半減期はいつだろう?
半減期の仕組みも知っておきたいな。
ビットコインはこれまでに複数回の半減期を迎えており、いずれも半減期後に価格が上昇しています。
2024年4月には4度目の半減期を迎え、今後の値動きを注視している人が多くいます。
この記事では、ビットコインの次の半減期や過去のチャート、半減期とは何かを分かりやすく解説するよ。
監修者:岡田 淳
名古屋市立大学大学院にてデータ分析を活用した研究を行い修士号を取得。
2023年、ビットコインエコシステムを推進するために国内でビットコインネイティブ企業を設立。
株式会社カシェイ代表。
ビットコインの半減期は2024年のいつだった?
ビットコインは2024年4月20日に4回目の半減期を迎えました。
ビットコインは21万ブロックを作成するごとに半減期を迎える仕組みで、1ブロックは平均10分で作られます。
※約4年で21万ブロックが生成される
なお、次回の半減期は2028年4月頃が予想されています。
半減期の予定日の最新情報は、CoinGeckoのカウントダウンサイトなどを見て確認するといいよ。
【一覧】ビットコインの過去の半減期チャート
ビットコインはこれまでの半減期で、どんな風に価格が動いたのかな?
過去の半減期チャートを確認して、ビットコインの値動きを振り返ってみよう。
ビットコインの半減期一覧
- 1回目:2012年11月28日
- 2回目:2016年7月9日
- 3回目:2020年5月12日
※1回目の半減期が4年よりも少し早く訪れているのは、初期段階のマイナーの少なさ&急速な増加によってブロック生成時間が短くなったため
2012年のビットコイン半減期
ビットコインは2009年1月3日に最初のブロックが生成され、最初に半減期を迎えたのは2012年11月28日です。
半減期直後はそれほど大きな値動きを見せず、1か月で約1.1倍の上昇でした。
しかし、半減期から約4か月後に19倍、半減期から約1年後には100倍近くまで高騰しています。
2013年12月のピークを迎えた後は、1年1か月前後の時間をかけて約75%下落しました。
ビットコインの初期の頃は、ものすごい急騰を見せていたんだね!
2013年上旬にはキプロス危機によって法定通貨への信用が失われ、ビットコインが避難通貨として注目された側面があるよ。
2013年下旬には中国人のビットコイン投機熱が高まったり、日本でもNHKのニュース番組でビットコイン特集が放送されたりして、一気に価格が上昇したんだ。
2016年のビットコイン半減期
ビットコインの2回目の半減期は2016年7月9日です。
半減期直後はそれほど大きな価格変動は起こらず、1か月後には約20%下落したものの、その後価格が上昇しました。
半減期から1年5か月で30倍に高騰しています。
2017年12月のピークを迎えた後は、約1年で83%前後の下落を記録しました。
また半減期後にバブルが起きたんだね!
2016年末にはトランプ大統領の当選に伴い、人民元安の不安を感じた人がビットコインに投資した可能性があるよ。
2017年下旬は日本円主導で仮想通貨が買われた時期で、仮想通貨取引所のCMをきっかけにビットコインを始めた人が多くいるんだ。
2020年のビットコイン半減期
ビットコインの3回目の半減期は2020年5月12日です。
※アメリカ時間では5月11日
半減期の2か月ほど前の下落はコロナショックに起因しており、金融市場全体が大きく下落しています。
半減期から7か月後には約3倍、半減期から1年半後には約8倍に上昇しました。
2021年11年に過去最高値を更新し、約1年後(翌年の年末)には約70%下落しています。
1回目・2回目の半減期よりも上昇率は小さいけど、ピークからの下落率も小さくなっているね!
初めの頃に比べて、値動きが安定してきている感じがするよ。
2020年後半にはマイクロストラテジー社がビットコインの購入を開始したり、ペイパル社・ブロック社(旧スクエア社)がビットコイン事業を開始したりと、米企業の参入が本格化したんだ。
2021年にはテスラの参入、エルサルバドルのビットコイン法定通貨化、ビットコイン先物ETF承認など、様々なニュースが話題になったよ。
関連記事:ビットコインの価格推移!10年以上の歴史をグラフ付きで解説
ビットコインの半減期とは?わかりやすく解説
ビットコインの半減期後の価格が注目されているけど、そもそも半減期って何だろう?
ビットコインの半減期は、マイニング報酬が半分になるタイミングのことなんだ。
マイニングと半減期について、初心者向けに分かりやすく解説するよ。
ビットコインのマイニングとは
マイニングって、ビットコインがもらえる仕組みって聞いたことがあるけど…。
マイニングをざっくり言うと、ビットコインのネットワーク上で行われる取引(トランザクション)を確認して、ブロックチェーンに正しく書き込むことだよ。
取引を承認するための数値を最初に見つけたマイナー(マイニングをする人)は、報酬としてビットコインがもらえるんだ。
中央管理者のいないビットコインにおいて、新しいビットコインの発行はマイニングによって行われます。
10分に1回のペースで新しいブロックが作成されており、1日に約144ブロックが生成されています。
マイニングの流れ
- 取引の収集
→ネットワーク上で行われた未確認の取引を集める - 取引の検証
→送金元が十分なビットコインを持っているか、以前に同じビットコインが使われていないかなどを検証 - ブロックの形成
→検証した取引をデータの塊としてまとめる - ブロックをブロックチェーンに追加
→条件に合った数値を見つけるまで大量に計算し続ける
※最初に数値を見つけたマイナーは、新しく生成されたビットコインや取引手数料を受け取れる
ビットコインの初期の頃は、マイニングに成功すると報酬として50BTCがもらえたんだよ。
最初の頃は、1日で7200枚のビットコインが新しく発行されていたんだね!
関連記事:【漫画】ビットコインの仕組みを図解で分かりやすく解説【初心者向け】
関連記事:ビットコインのマイニングとは?現在の報酬や終了時期・やり方や仕組みを紹介
マイニングのブロック報酬が半分に減る
ビットコインは21万ブロックを生成するごとに、マイニングでもらえるブロック報酬が半分になるようにプログラムされています。
この半減期イベントはビットコインが発行されてから自動的に起こっており、約4年ごとの周期で半減期を迎えています。
2024年1月時点のブロック報酬は6.25BTC、4回目の半減期後のブロック報酬は3.125BTCです。
ビットコインに半減期がある理由
- 通貨の希少性を保つ
→ビットコインの新規発行速度が徐々に減少することでインフレを防ぐ - 長期的な価値の安定
→供給量が2100万枚に限られており、長期的に価値が安定する
通貨は大量に発行されるとインフレを起こしてしまって、価値が下がってしまうんだ。
ビットコインはインフレを防ぐために、ブロック報酬が徐々に減る仕組みが導入されているんだよ。
発行枚数が多くなりすぎないように半減期があるのは分かったけど、わざわざ一定の周期で発行量を減らすんじゃなくて、最初にまとめて2100万枚を発行するのはダメなのかな?
ビットコインが最初にすべて発行されていたら、マイナーがマイニングを行う動機(インセンティブ)がなくなってしまうんだ。
マイニングによって取引が検証されることで、ビットコインのネットワークは保たれているよ。
それに、一度に全部発行されたら、市場に大量のビットコインが流通してしまって、価値が不安定になってしまうんだ。
関連記事:ビットコインはなぜ価値がある?有識者にインタビュー【価値がなくなる可能性は?】
ブロック報酬の終わりの日は2140年頃
ブロック報酬は半減期を迎えるたびに減っていき、2140年頃にはブロック報酬がゼロになる予定です。
ただし、ブロック報酬が終了しても取引手数料は引き続きマイナーに支払われるため、マイナーがマイニングに参加し続ける動機付けになると考えられています。
マイニング報酬
- ブロック報酬
→新しいブロックの追加に成功したマイナーに与えられる。新規発行され、約4年ごとに報酬は減っていく - 取引手数料
→利用者がビットコインを送る際に支払われる手数料。1つのブロックに含まれるすべての取引手数料が、マイニングに成功したマイナーに支払われる
マイニング報酬がゼロになったらブロック報酬はなくなるけど、手数料報酬がもらえるから、マイニングは続くんだね!
ビットコインの価格が上がって、取引も活発に行われるようになれば、手数料報酬はさらに増えていくかもしれないね。
なぜ上がる?ビットコインの半減期の影響
ビットコインは半減期後に上昇する傾向があるみたいだけど、なぜ上がるんだろう?
価格の値動きは様々な要因が複合して起きていて、例えばマイナーの撤退や機関投資家の参入、世界的な金融政策の動きなどが影響を与えているんだ。
ここからは、半減期ごろに見られる事象として、マイナーのビットコイン売却に伴う売り圧について解説するよ。
半減期前:マイナーの売りが警戒される
半減期によってブロック報酬が半分に減るため、収益が見合わないマイナーの一部は事業を撤退する可能性があります。
事業撤退の際に、マイナーが保有中のビットコインを大量に売却することで、ビットコインの価格が不安定になると考える人もいます。
※マイナーは電気代や設備費の支払いのためにビットコインを現金に換える必要があり、マイナー保有のビットコインは売り圧力になっていると考えられている
マイニングは高額な機材の他、マシンを動かすための電気代や設備保全のコストがすごく大きいから、半減期前後のタイミングで事業撤退するマイナーもいるんだ。
施設や電気代の契約形態も加味して、半減期から数週間~数か月経ってから撤退するマイナーもいるだろうし、撤退予定のマイナーによるビットコインの売却がしばらく続く可能性はあるね。
これまでの半減期でも、「半減期と同時に急騰!」っていう感じではなかったよね。
カウントダウンのイベントは盛り上がるかもしれないけど、価格の値動きには注意した方が良さそうだよ。
半減期後:発行量の減少で売り圧の減少が予想される
半減期によってビットコインの発行量が減ると、マイナーによるビットコインの売りが減るため、市場に出回る新しいビットコインの供給量が減少します。
その結果、ビットコインの希少性が高まり、価格上昇につながる可能性があります。
赤字経営になったマイナーが淘汰されて、電気代の安い地域のマイナーや最新設備を持った強いマイナーが生き残っていくんだ。
残ったマイナーは、競合の離脱によって収益をキープして、ビットコインを現金化せずに保有する余力ができるかもしれないね。
マイナーの淘汰が進めばビットコインの売り圧が小さくなって、価格の安定につながるのかもしれないよ!
ビットコイン半減期に向けた有識者の価格予想
ビットコインの有識者や、ビットコイン関連企業が発信しているビットコインの価格予想を紹介します。
半減期前後の価格予想
- パンテラ・キャピタル(米大手仮想通貨ベンチャーファンド)
→2024年4月の半減期前には約35,000ドル、半減期後に148,000ドル - Matrixport Research(デジタル資産管理・金融サービス関連企業)
→2024年4月までに63,140ドル、年末までに125,000ドル - Bitwise(米仮想通貨投資企業)
→2024年に80,000ドル超え - スタンダードチャータード銀行(ロンドンに拠点を置く国際銀行)
→2024年の年末までに100,000ドル超え
2021年に記録した最高値は約69,000ドル(当時レート約760万円)だよ。
2023年の1月4日時点では約42,000ドル(約620万円)をつけているんだ。
半減期後の価格上昇や、2024年の最高値更新を予想している人が多くいるんだね!
ビットコインの半減期に関する一問一答
ビットコインの半減期について、他にも色々知っておきたいな。
一問一答形式で、ビットコインの半減期について答えるよ。
ビットコインの半減期が早まる可能性は?
ビットコインのブロック生成の平均時間(理論上は10分)が一貫してわずかに短くなった場合、予想されている日時よりも若干早まる可能性はあります。
なお、ビットコインのシステムは約2週間ごとにマイニングの難易度が調整されており、ブロック生成時間が10分に近付くように設計されているため、半減期が大幅に早まることはないと考えられています。
2024年4月20日に4回目の半減期を迎えたよ。
現時点では、次回の半減期は2028年4月頃が予想されているんだ。
他の仮想通貨は半減期では上がらない?
ビットコインのように半減期がある仮想通貨は他にもありますが、半減期が直接価格上昇につながるかどうかは予測が困難です。
半減期前後の上昇を期待して売買を行うトレーダーもいますが、価格変動の不確実性がビットコイン以上に大きいということは念頭に置いておきましょう。
半減期のある仮想通貨として、ライトコインやビットコインキャッシュ、モナコインが挙げられるよ。
時価総額の小さいアルトコインは爆上げが話題になりやすいけど、暴落の仕方もすごいんだね…。
ビットコインよりもリスクがすごく大きいことは覚えておいた方が良さそうだよ。
関連記事:ビットコインとアルトコインの違いは?有識者にインタビュー【どっちが人気?】
ビットコインキャッシュの半減期は?
ビットコインキャッシュの次回の半減期は2024年4月上旬が予想されています。
前回は2020年4月8日に半減期を迎えており、ビットコインの2020年5月12日よりも若干早く半減期が訪れています。
ビットコインキャッシュはビットコインから分岐(フォーク)した仮想通貨なんだよね?
どうしてビットコインキャッシュの方が半減期が早いんだろう?
分岐した直後、ビットコインキャッシュのブロック生成時間が早い時期があったんだ。
10分に1度ブロックが生成されるビットコインに対して、ビットコインキャッシュは1分に1度くらいの速さで生成された時期があったのが、半減期がずれた原因の1つだよ。
【まとめ】ビットコインの半減期はいつ?
ビットコインの半減期・ポイントまとめ
- 半減期とは、マイニングのブロック報酬が半分になるタイミングのこと
- ビットコインは2024年4月20日に4度目の半減期を迎えた
- これまでの3度の半減期では、半減期を迎えた後に価格が上昇している
ビットコインは半減期が来るたびに新規発行枚数が減っていて、通貨の希少性が保たれているんだね。
これまでのサイクルでは半減期後に価格が上昇しているから、次の半減期にも期待する声が多いんだ。
ビットコインって何だか難しそうだし、よく分からないから何となく不安だったけど、他にも色々知りたいなって思ったよ。
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執筆者:Shigeru Minami
「知っとこ!ビットコイン図鑑」制作者。
ビットコイングッズのハンドメイド作家として活動中。