ビットコインのマイニングって何だろう?
中央管理者がいないビットコインにおいて、新しいビットコインの発行はマイニングによって行われます。
マイニングに参加する採掘者(マイナー)が世界中に存在することで、ビットコインの仕組みが成り立っています。
この記事では、ビットコインのマイニングの仕組みを分かりやすく解説するよ。
監修者:加藤規新
2016年末よりビットコインに関するリサーチをしており、ビットコインの情報を専門に扱う「ビットコイン研究所」などのメディアで解説を担当。
トラストレス・サービス株式会社代表/ビットコイナー反省会
ビットコインのマイニングとは
ビットコインには「マイニング」という仕組みがあると聞いたけど…。
マイニングをざっくり言うと、ビットコインのネットワーク上で行われるトランザクション(取引)を確認して、ブロックチェーンに正しく書き込むことだよ。
マイニングに参加する人々は「マイナー」と呼ばれていて、ビットコインネットワークの安全性を保つ役割を果たしているんだ。
マイニングを行うマイナーは、高い計算能力を持つコンピュータを使ってマイニングをします。
ブロック中のナンスを変更しながらハッシュ計算を繰り返し、最初にターゲット以下のハッシュ値を見つけたマイナーは、ブロックをブロックチェーンに追加します。
※ナンス:一度だけ使われる数
※ハッシュ値:作成したブロックを元にハッシュ計算して得られる不規則な値
その報酬として得られるのが、新しく生成されたビットコインや取引手数料分のビットコインです。
報酬システムがあることで、マイナーがビットコインネットワークに貢献する動機(インセンティブ)が生まれ、ネットワークの安全が保たれます。
マイニングの流れ
- 取引の収集
→ネットワーク上で行われた未確認の取引を集める - 取引の検証
→送金元が十分なビットコインを持っているか、以前に同じビットコインが使われていないかなどを検証 - ブロックの形成
→検証した取引をデータの塊としてまとめる - ブロックをブロックチェーンに追加
→条件に合った数値を見つけるまで大量に計算し続ける
※最初に数値を見つけたマイナーは、新しく生成されたビットコインや取引手数料を受け取れる
マイニングは、1日に何度も行われているのかな?
10分に1回のペースで新しいブロックが生まれているよ。
1日に約144ブロックが生成される計算だね。
関連記事:【イラスト解説】ビットコインって何?仕組みや何に使えるのかを初心者向けにわかりやすく解説
ビットコインのブロックチェーンの仕組み
ビットコインのマイニングの仕組みについて、もう少し詳しく知りたいな。
まずはマイニングを深く知るのに欠かせない「ハッシュ関数」や、ブロックチェーンの仕組みから説明させてね。
専門用語が入るからちょっと難しいんだけど、できるだけかみ砕いて説明するよ。
参考文献:ビットコインはどのようにして動いているのか?(著:大石哲之)
ハッシュ関数やブロックチェーンの説明が不要な人は、次の段落の「ビットコインのマイニングの仕組み」に飛んでください。
ハッシュ関数
ハッシュ関数とは「入力されたデータを、決まった長さの不規則な文字列で返す関数」のことで、ビットコインの仕組みに大きく関わっています。
ハッシュ関数
- 決まった長さの出力(ハッシュ値)を返す
- 同じ入力を入れると同じ出力が出てくる。誰が入れても同じ
- 違う入力を入れると違う出力が出てくる。違う入力から同じハッシュ値はできない
- ハッシュ値をもとに、何が入力されていたかを推測するのは困難(何兆分の1とか、そういうレベルでは全く表せないくらい難しい)
謎の文字列のハッシュ値から、元々の入力にたどり着くのは天文学的に無理!って感じなんだね。
次に、ビットコインがハッシュ関数の性質を使って、改ざんできないデータの連鎖を作っている仕組みを見てみよう。
ハッシュ値の仕組みで改ざんを防ぐ
ブロックチェーンが絶対に改ざんされないように、ハッシュ関数を間に挟むことでブロック同士を強烈に関連付けさせます。
ブロックチェーンの仕組みの考え方
- ブロック1の取引データをまとめて、ハッシュ関数に入れて、ハッシュ値を得る
- 直前のブロック1のハッシュ値と、ブロック2の取引情報を足した物を、ハッシュ関数に入れてハッシュ値を得る
- 直前のブロック2のハッシュ値と、ブロック3の取引情報を足した物を、ハッシュ関数に入れてハッシュ値を得る
- ハッシュ値を並べる
新しいブロックを作る時に、1つ前のハッシュ値を混ぜ込んでいるんだね!
例えば、ブロック1の取引データをほんの少し改ざんしただけでも、ハッシュ値がまるで変わってしまうんだ。
この仕組みは改ざんに対して驚くほど強い耐性があるんだよ。
でも、1個改ざんしてバレるなら、それ以降も全部改ざんしていけばいいんじゃない?
考案者のサトシナカモトは、さらに巧妙なアイデアを考えたんだ。
改ざんするのにものすごいコンピューターパワーが必要になるように、ハッシュ値の計算を一層大変なものにしたんだよ。
ハッシュ値の計算を大変なものにする(PoWの導入)
ハッシュ値の計算に、さらに骨が折れる仕組みを導入したのがPoW(Proof of Work/仕事の証明)です。
ハッシュ値の計算の時に、nonce(ナンス)というパラメーターを加えています。
ナンスは約43億通りあり、試行錯誤をひたすら繰り返さなければなりません。
そして、先頭にゼロが並んだハッシュ値が得られたら採掘成功です。
約10分に1回ごと、世界中の採掘者が数値を見つけるために一斉に計算を繰り返しており、一番はじめにハッシュ値を見つけた者だけが採掘成功とみなされます。
計算を大変なものにすることで、ビットコインのデータベースが改ざんされないようにしているんだね!
ビットコインのマイニングに参加する企業は億単位の高性能コンピュータ機器をそろえて参加しているし、電力コストもかかるんだ。
悪意ある人が改ざんし続けるのは、とても現実的ではないんだよ。
関連記事:【漫画】ビットコインの仕組みを図解で分かりやすく解説【初心者向け】
ビットコインのマイニングの仕組み
ビットコインのマイニングは、どんな風に行われているのかな?
ここからは、マイニングの流れをざっくりと紹介するよ。
すべての取引データを代表する「1つのハッシュ値」をつくる
ユーザーがビットコインを送信すると、トランザクション(取引データ)は「メモリプール」という場所に一旦貯められます。
マイナーはメモリプール内の取引データを選び、数百~千のデータをハッシュ関数を使ってツリー構造にして1つにまとめます。
なお、ユーザーが支払った取引手数料は、マイニングに成功したマイナーが受け取れる仕組みです。
マイナーは報酬をできるだけ多く受け取れるように、手数料の高い取引を優先してまとめています。
マイニング報酬
- ブロック報酬
→新しいブロックの追加に成功したマイナーに与えられる。新規発行され、約4年ごとに報酬は減っていく - 取引手数料
→利用者がビットコインを送る際に支払われる手数料。1つのブロックに含まれるすべての取引手数料が、マイニングに成功したマイナーに支払われる
ブロック報酬だけじゃなくて、ブロックに含まれている取引手数料もマイナーが受け取れるんだね!
取引手数料をたくさん払うと速く承認されやすいのは、手数料報酬の多い取引をマイナーが優先して取り込んでいるからなんだ。
マイニング(採掘)
マイニングを行うマイナーは、大量に0が並ぶハッシュ値が見つかるまで、ひたすらナンスを変えて計算を繰り返し続けます。
ブロックの生成
- 未確認の取引データを検証&ナンスを変更しながらハッシュ値を探す
- 条件に合ったハッシュ値を最初に見つけた人が、取引データを記載した新しいブロックを作成できる
- 見つけたハッシュ値を使って、ナンスとハッシュ値を含めたブロック情報を他のコンピュータに通知
※ブロックには、最初に見つけたマイナーのビットコインアドレスにビットコインを送る、という取引記録を含められる
ブロックの情報を受け取ったコンピュータ
- 直前のブロックと、新しいブロックの情報をもとに、発見されたハッシュ値になるかどうかを検算して確認
- ブロック内の全ての取引に不正がないかチェック
- 問題がなければ、コンピュータは自分の保持するブロックチェーン(データベース)の末尾に、新しいブロックを加えて更新する
マイニングの報酬はどうやって支払われるのかと思っていたけど、採掘に成功したマイナーが取引記録を含める仕組みなのはびっくりだよ。
採掘成功者が自分への報酬に対し、何らかの不正を書き加えた場合は、ネットワークからの承認が得られないからマイニング報酬自体が得られなくなってしまうんだよ。
どういうこと?
例えば採掘成功者が、自分へのマイニング報酬が倍になるようにブロックを更新した場合はどうなるんだろう?
新たに作られたブロックは他のノード(マイナーやフルノード)によって検証されるから、不正はバレてしまうよ。
不正なブロックは他のノードが無効として扱うから、ブロック自体がビットコインのネットワークに承認されれず、本来もらえたはずのマイニング報酬を一切受け取れなくなるんだ。
悪いことをするとバレちゃうんだね!
ビットコインは中央管理者なしで、ネットワークが動く仕組みが成り立っているのがすごいなぁ。
関連記事:ビットコインはなぜ価値がある?有識者にインタビュー【価値がなくなる可能性は?】
ビットコインマイニングのブロック報酬は2140年頃に終了予定
ビットコインのマイニングは将来的に終了するっていう話を聞いたことがあるけど…
マイニングでもらえるブロック報酬は将来的に減っていくよ。
でも、マイニング自体はブロック報酬が終了しても続いていくんだ。
ビットコインは半減期ごとにマイニング報酬が減る
ビットコインは「半減期」を迎えるたびに、ブロックを生成した時にもらえるビットコインの量が半分になる仕組みが導入されています。
約4年に1回(21万ブロックごと)に半減期を迎えます。
2009年にビットコインが始まった時は、ブロックを採掘すると50BTCがもらえました。
それからどんどん半分になり、2023年時点では6.25BTCが報酬としてもらえます。
関連記事:【過去チャート一覧】ビットコインの半減期とは?2024年のいつ頃?仕組みをわかりやすく解説
半減期は今後も続いていって、2140年頃にはマイニング報酬がゼロになると言われているよ。
うーん、マイニング報酬がゼロになっちゃったら、マイナーがマイニングする理由がなくなっちゃうのかな?
マイニング新規発行分がゼロになるとどうなるのか
ブロック報酬が減っていくにつれて、ブロックの中に含まれるトランザクション(取引)の手数料の比重が増えていくと考えられています。
トランザクション手数料は支払うユーザーが自由に決められ、急ぎの取引の数などによって変動するため、手数料報酬がブロック報酬を安定して上回る状態になるのはまだ大分先になる模様です。
マイニング報酬がゼロになったらブロック報酬はなくなるけど、手数料報酬はもらえるんだね!
ビットコインの価格が上がったり、活発なビットコイン取引で手数料報酬が増えたりすれば、マイナーがマイニングに参加し続けるインセンティブ(動機付け)になるかもしれないね。
ビットコインマイニングの現在の報酬
2023年時点、ビットコインのブロック報酬は6.25BTCです。
手数料報酬はブロックや日によってばらつきがありますが、2023年11月時点ではBRC-20・Ordinalのブームもあり手数料報酬が高騰しています。
ビットコインのマイニング報酬(例①)
2023年2月25日:合計で684.71BTC
- 1日144ブロック(10分で1ブロック生成)とすると、1ブロックあたり平均で約4.75BTC
- マイニング報酬:3.25BTC(新規発行)
- 手数料報酬:平均すると約1.5BTC
ビットコインのマイニング報酬(例②)
2023年11月27日:合計で901.95BTC
- 1日144ブロック(10分で1ブロック生成)とすると、1ブロックあたり平均で約6.26BTC
- マイニング報酬:3.25BTC(新規発行)
- 手数料報酬:平均すると約3.01BTC
マイニング報酬だけでなく、手数料報酬も結構多いんだね!
ビットコインのネットワークが混雑している時期には、手数料を高めに設定しないとなかなか取引が完了しないんだよ。
関連記事:Ordinalsとは?賛否あるビットコインNFTの特徴や買い方を解説
関連記事:BRC-20とは?賛否あるトークンの仕組みやビットコインへの影響・買い方を紹介
ビットコインマイニングのやり方
ビットコインのマイニングはどうやってやるのかな?
ビットコインマイニングのやり方をざっくり紹介するよ。
ソロマイニングとマイニングプール
ビットコインマイニングは個人で参加する「ソロマイニング」と、複数のマイナーが共同で行う「マイニングプール」に参加する方法があります。
マイニングプールは複数のマイナーがハッシュパワー(計算力)を集合させ、貢献度(提供したハッシュパワーの割合)に応じて報酬が分配される仕組みです。
現在のマイニング難易度は非常に高く、ソロマイニングは難しくなっているため、マイニングプールがより一般的になっています。
その他、ハードウェアを持たず、ハッシュパワーをレンタルする「クラウドマイニング」も存在します。
投資商品としての性質が強く(詐欺的なクラウドマイニングサービスの事例も複数上がっている)、一般的なマイニングとはリスクや報酬の構造が異なります。
大規模なマイニングプールとして、アメリカ拠点のFoundry USAや、中国企業が運営するAntPoolが挙げられるよ。
海外取引所のBinanceや、日本企業のSBIもマイニングプール事業を行っているんだね!
個人では赤字になる可能性が高い
ビットコインの採掘難易度は非常に高く、個人で参加するのは非現実的です。
2023年8月には個人マイナーが採掘に成功したものの、「この規模のマイナーによる成功確率は7年に1回あるかないか」くらいの確率であると、マイニングサービスSolo.ckpoolのCon Kolivas氏は話しています。
なお、Kolivas氏は該当の個人マイナーが「Antminer S17」モデルのマイニングマシンを10台使っていたのではないかと推測しています。
ビットコインの初期の頃は、マイニングの難易度は今よりもすごく低かったから、個人マイナーでも参加できたんだ。
でも、ビットコインの価値が高まるにつれて、マイニングの難易度も上がっているんだよ。
今はもう、個人で参加するのは厳しそうだね…
赤字覚悟で、趣味の範囲でやる感じかもしれないよ。
ビットコインのマイニングは電気代の無駄遣い?
ビットコインのマイニングは電気代が高いって聞いたけど…
確かに、ビットコインのマイニングがたくさんの電力を使うのは事実だけど、再生可能エネルギーの活用も進んでいるよ。
ビットコインマイニングに電気代がかかる理由
非中央集権型のビットコインネットワークは、改ざんを防ぐために「非常に労力のかかるPoW」を採用しています。
攻撃するのに多大なコストや労力が必要な仕組みを取り入れることで、悪意ある攻撃を仕掛けにくくしています。
なお、アメリカにおいて、ビットコインは金や石油のようなコモディティ(商品)とみなされているよ。
金融資産の中でも、ビットコインは排出原単位(活動量あたりのCO2排出量)が少ないんだ。
2020年にはKWhあたり600gだったけど、2023年には296.5gに減少していているよ!
関連記事:「ビットコインは電気代の無駄」説は時代遅れ!マイニングが環境・電力問題を解決する可能性を解説
マイニングの電力には再生可能エネルギーの活用が進んでいる
ビットコインが電気を多く使っているのは事実ですが、環境に配慮したマイニングの取り組みが進んでおり、マイニング消費電力の半分は再生可能エネルギーが占めると言われています。
マイニング事業者は採算をとるためにできるだけ安い電力を探しており、買い手がつかない余剰供給の自然エネルギーの活用が進んでいます。
また、2021年5月に中国でマイニングが禁止となり、化石燃料による電力を利用していたマイナーが減少したことで再生可能エネルギーの比率が上昇しました。
再生可能エネルギーの利用が進む理由
- 風力発電などの自然エネルギーは余剰供給(買い手がつかない電力)が発生するため、電気代が安い時間を狙ってマイナーが買い取っている
- 電気料金が上昇する時間帯はマイニングを中断するので、消費者の需要とは競合しない
- テキサス州では電力がマイナス価格(発電しすぎるとお金を払わなければならない)になる問題があったが、余剰電力をマイニング事業者が安く買い取っている(テキサス州はアメリカの中でもマイニング事業が活発)
参考:データから読み解く自然エネルギーとビットコインマイニングの最前線
自然エネルギーの電力って、確かに時間帯によっては余ってしまいそうだよ。
マイニング事業者も電力会社、両方にメリットがある取り組みだね!
マイニング事業が広がれば、再生可能エネルギーの発電施設が増えていくかもしれないね。
ビットコインのマイニング事業は期待される分野の1つなんだ。
ビットコインは他の仮想通貨よりも電気代が高いのか
「ビットコインよりも環境にやさしい仮想通貨がある」っていう話をよく聞くんだけど、どういうことだろう?
ビットコインのPoWは、他の仮想通貨の多くが採用するPoSと比べると電力を多く消費するんだ。
「ビットコインよりも電力がかからない=環境にやさしい」とうたっている仮想通貨があるのは確かだよ。
ビットコインのPoWに対し、電力消費の少なさを特徴としたPoSの仮想通貨が多く登場しています。
しかし、PoWとPoSは構造が全く異なるため、単純に電力だけで比較できるものではありません。
PoS(Proof of Stake)とは
- 仮想通貨の保有量が多い人ほど、取引の承認作業の役割を割り当てられやすい(報酬を受け取りやすい)
- 高性能マシンがなくても参加できる仕組みがある(承認作業を代わりに行ってくれる人にコインを預ける方式が手軽なため、富が集中しやすい)
- 中央集権的な仕組みほど処理速度が上がる傾向がある
PoWとPoS
- PoSはコインの大量保有者が多くの報酬を得られるため、富が集中しやすく、一部のクジラ(コイン保有者)がネットワークを支配するリスクがある(例:1人の票クジラによってガバナンス投票の結果が左右される可能性がある)
- PoWのビットコインは、ビットコインを大量保有していてもチェーンの正当性に対する発言権がない(例:マイクロストラテジー社がビットコインを大量保有していても、PoSにおけるガバナンス投票などに参加できるわけではない)
- 新しいPoS銘柄を作るのは容易であり、誰でも新しいコインを発行できる(1分以下で新規コインを作成できるプラットフォームもある)
- PoSは米証券取引委員会(SEC)から有価証券にあたる可能性を示唆されている(コインの保有量に基づいて報酬が与えられるのは株式の配当に類似/PoSトークンには実質的な運営元が存在する/仮想通貨の資金調達方法であるICOは、株式のIPOと性質が近い)
PoSでは保有中のトークンの量に基づいて、取引の検証やブロック生成に関与する仕組みだよ。
電気代は安く済むけど、富が一部に集中しやすい特徴もあるんだ。
PoSは有価証券にあたるかも、って指摘をされているんだね。
ググると「PoSの方がPoWより優れている!」って書いてある記事が多いんだけど、どちらにもメリット・デメリットがある気がするな。
関連記事:ビットコインとアルトコインの違いは?有識者にインタビュー【どっちが人気?】
関連記事:シットコインとは?ビットコインとの違いや問題点を解説
ビットコインのマイニングに関する一問一答
ビットコインのマイニングについて、もう少し色々知っておきたいな。
一問一答形式で、ビットコインのマイニングに関する疑問に答えるよ。
ビットコインのマイニングは集権化されている?
「トップのマイニングプールを2つ3つ合わせると51%攻撃を仕掛けられる=ビットコインは集権化している」という意見が時折見られますが、この主張はやや飛躍したものと言えます。
※51%攻撃…悪意のあるマイナーがネットワークの51%を支配し、不正な取引を正当なものとして承認すること
マイニングプールは小規模のマイナーがたくさん集まって収益を分け合うものであり、マイニングプールを選ぶのはマイナー自身です。
仮にマイニングプールが攻撃を引き起こした場合、マイナーは攻撃に加担し続けるか、攻撃をしていないマイニングプールに切り替えるかの選択ができます。
数千以上のマイナーが、参加するプール内で一致団結して意図的に攻撃を行うのは現実的ではありません。
51%攻撃が起きたらビットコインの価格は暴落するだろうし、マイナーにとってメリットが薄い気がするなぁ…。
でも、「ビットコインをショートして、ビットコインが大暴落すれば大儲け」みたいなことを考える人もいるのかな?
51%攻撃を行う膨大なコストに見合うショートポジションはすさまじい規模になると思うけど、市場が動きを察知して、51%攻撃を防ぐための動きが起きやすくなるかもしれないね。
取引の流動性が十分かどうかも分からないし、清算されたりして先物取引所から引き出せなくなるリスクもあるよ。
ちなみに、51%攻撃でマイナーができることって何だろう?ビットコインを他の人から泥棒するとか?
51%攻撃でできること・できないこと
- できる:二重支払いの承認(一度送ったコインを再度別のアドレスに送る)、特定の取引の送金を拒否、マイニング報酬の独占など
- できない:過去の取引の改ざん、他人のウォレットからの勝手な移動、発行上限の変更など
参考:【ビットコイン研究所Q&A】マイニングの集権化、ライトニング決済とAI、Nostrのポテンシャルと課題
51%攻撃って聞くと何だか怖そうだけど、ユーザーのビットコインを奪ったり、ビットコインの発行上限を変えたりはできないんだね。
ちなみに、過去には攻撃に必要なハッシュレート(計算速度)が小さいモナコインやビットコインゴールドなどが51%攻撃を受けているけど、ビットコインはこれらのコインとはハッシュレートが桁違いに異なるから、51%攻撃を行うのは非常に難しいんだ。
関連記事:ビットコインは中央集権化が進んでいるのか?データやETF情報を元に解説
関連記事:ビットコインの51%攻撃とは?仕組みや実例・対策をわかりやすく解説
ビットコインのマイニングができるスマホアプリはある?
スマホでビットコインマイニングができるアプリは存在しますが、実際の効率や利益面を考えると現実的ではありません。
マイニングを成功させるには専用のハードウェアが求められる上に、規模の大きいマイニング企業が多数参入している現状では、個人マイナーが報酬を得るのは極めて困難です。
スマホのバッテリーに負荷をかける可能性もあるため、軽い気持ちで手を出すのは避けましょう。
「マイニングで不労所得!」っていう声を見たことがあるけど、ビットコインマイニングの大変さを考えると、実現できるとはとても思えないよ…。
ビットコイン以外の仮想通貨マイニングを勧めて詐欺コインをつかませたり、そもそもアプリが詐欺だったりする場合もあるから、おいしい話に乗せられてはいけないよ。
ビットコインのマイニングマシンは何が使われている?
現在のマイニングマシンにはASICが使われています。
ASICは特定の計算だけに特化した専用マシンであり、汎用的なプロセッサーと比べて圧倒的な電気効率を実現するために開発されます。
ビットコイン初期の時代には、CPUなど比較的誰でも利用しやすいマシンが用いられていました。
2011年頃にはGPUマイニング、2013年頃にはFPGAマイニングが広がり、現在はさらにスペックの高いマイニングマシンでなければ採掘競争を勝ち抜けなくなっています。
現在のマイニングは、大量のASICを用意して行う大規模な運用が一般的だよ。
複数のマイニング機器メーカーが新しいモデルを出しているみたいだよ。
エネルギー効率の良さや環境に配慮したマシンなど、開発競争が進むかもしれないね。
【まとめ】ビットコインのマイニングとは
ビットコインのマイニング・ポイントまとめ
- マイニングとは、ビットコインのネットワーク上で行われる取引を確認して、ブロックチェーンに正しく書き込むこと
- 新しいブロックを承認したマイナーが報酬を受け取れる仕組みで、ブロック報酬は約4年ごとに減っていく
- マイニングに成功したマイナーには、ブロック報酬(新規発行のビットコイン)と、ブロックの中に含まれる取引手数料が支払われる
ビットコインはマイニングの仕組みによって、運営元のいない分散型ネットワークを成立させているんだね!
悪意ある攻撃を防ぐために、非常に労力のかかるPoWの仕組みを採用しているんだ。
ビットコインって何だか難しそうだし、よく分からないから何となく不安だったけど、他にも色々知りたいなって思ったよ。
ビットコインについて、もっと知っとこ!
執筆者:Shigeru Minami
「知っとこ!ビットコイン図鑑」制作者。
ビットコイングッズのハンドメイド作家として活動中。