ビットコインがトラブルのきっかけになって、亡くなった人がいると聞いたけど…
ビットコインは価格の高騰・暴落が話題に上がりやすい金融商品で、一部ではビットコインを取り入れた投資ビジネスも行われている模様です。
金銭が絡むセミナーや運用ビジネスが引き金となって、死亡者が出た事件も発生しました。
この記事では、日本で死亡者が出たビットコイン関連の事件を紹介するよ。
本記事のざっくりまとめ
- ビットコインの投資セミナーや運用ビジネスがきっかけとなり、死亡者が出た事件が日本で起きている
- マルチ商法(ネットワークビジネス)は自分が被害者になるだけでなく、加害者になる可能性もある仕組みで、トラブルの原因になりやすい
- ビットコインが犯罪に悪用される事例はあるが、ビットコイン自体は悪いものではなく、海外でも広く売買・活用されている
ビットコイン事件簿・死亡者が出た日本の事例
ビットコイン絡みの事件が知りたいな。
日本ではどんな事件が起きているんだろう?
ビットコインが関連している事件の中から、死亡者が出た事件を紹介するよ。
ビットコインの投資ビジネスを手掛ける女性が死亡
2017年、ビットコインの投資セミナーを開催していた53歳の女性が死亡し、強盗殺人・死体遺棄の容疑で西田市也容疑者(21)と共犯の少年(18)が逮捕されました。
女性と西田容疑者は投資セミナーをきっかけに知り合い、女性の資産に目を付けた容疑者らによって犯行が行われました。
西田容疑者は女性のIDやパスワードを取得し、女性が保管していたビットコイン(約30万円分)を現金化した模様です。
出典:マルチまがいも横行する中、ビットコイン・セミナーが犯人と被害女性を結びつけた…強殺事件の意外な接点|産経ニュース
女性の投資セミナーはネットワークビジネスと見られていて、セミナーでは女性が司会を担当していたんだ。
2017年ごろはビットコインバブルが起きていたから、多くの人がビットコインに興味を持っていた時期かもしれないよ。
ネットワークビジネスっていうのは、会員を増やして紹介料を得る仕組みのことなんだね。
化粧品や健康食品などのネットワークビジネスがあるみたいだけど、この事件ではビットコインのネットワークビジネスがきっかけになってしまったんだね…。
ビットコイン投資話を発端に女子軍団が凶行に及ぶ
2022年、ビットコインの運用話を持ち掛けた71歳男性への監禁・死亡事件に関与したとして、門美帆子容疑者(44)ら女性5人と今泉俊太容疑者ら2人が逮捕されました。
門容疑者ら5人は、男性から「ビットコインを運用して預けた現金の10%を毎日配当・元金を2.5倍にして返す」という投資話を持ちかけられ、それぞれ約90万円~約2000万円(総額4000万円超)を預けたものの、男性からの配当が滞った模様です。
門容疑者らは返金を求めて「回収屋」を名乗る今泉容疑者らに依頼し、男性に16時間に及ぶ暴行を加えて殺害・遺体を遺棄したとみられています。
門容疑者は女子チームのボス的な存在で、女性らは夜の仕事を通じて知り合ったそうだよ。
門容疑者は男性に1600万円を出資し、1070万円しか返って来なかったことから犯行に及んだ模様だよ。
ビットコインの投資ビジネスがきっかけとなって、殺人が起きてしまったんだね…。
仮想通貨投資トラブルで22歳の女性が自殺
2022年、仮想通貨の投資トラブルに巻き込まれた22歳の女性が自殺する事件が発生しました。
大学の同級生からの勧誘がきっかけで、消費者金融で借金をして150万円を渡してしまい、返金を断られたことで思い悩んでしまったと見られています。
投資先とされているのは「AIを駆使した仮想通貨の運用ビジネス」をうたう事業で、「ジュビリーエース」や「ジェンコ」など無登録の投資詐欺的金融関連商品を扱っていた模様です。
ジュビリーエースは仮想通貨のアービトラージ※を自動化するシステムの利用券を販売していたんだ。
※アービトラージ(裁定取引)…取引所の価格差を利用し、割安で買い割高で売る
2021年には関係者7人が無登録営業の金融商品取引法違反で逮捕されているよ。
紹介料があってマルチ商法の色が強いみたいだよ…
自殺した女性の遺族は、出資の勧誘をした3人を相手取って提訴したんだね。
この事件ではビットコインが関連しているかどうかは確認できなかったんだけど、ビットコイン投資の危険性を示す事例として挙げられることがあるんだ。
ビットコイン・仮想通貨関連の事件に巻き込まれ、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
ビットコインの投資・運用ビジネスには要注意
ビットコインはこれまでに価格が上昇してきた金融商品として知られており、ビットコインの名前を出して組織的なビジネスを行う人もいます。
「必ず利益が出る!」「非常に高い利回りが受け取れる!」など、詐欺的な宣伝で費用を集めている事例もあるため、人から投資話を持ち掛けられた際は十分な注意が必要です。
ビットコインの名前を使った投資ビジネスの例
- 「ビットコインの自動売買システム」など、何らかのツール・サービスへの投資勧誘
- 「ビットコインよりも儲かる○○コイン」など、別の仮想通貨への投資勧誘
※投資ビジネスへの参加者が「ビットコインを自分で直接売り買いする」のではなく、「投資ビジネスの運営元に資金を支払う」というケースが多い
ビットコインに限らないけど、うまい儲け話を人から持ち掛けられたら大抵裏があるものだよ。
本当にうまい話なら、人に教えたりせず自分で独占して儲ければいいだけだし、誰かを勧誘する必要なんてないはずだ。
「人に紹介すると紹介料がもらえる」といったマルチ商法的なビジネスもあるんだよね。
マルチ商法は自分が被害者になるだけでなく、加害者になる可能性もある仕組みだから、トラブルの元になりやすいよね…近付かないように気を付けるよ。
関連記事:シットコインとは?ビットコインとの違いや問題点を解説
ビットコイン自体は悪いものではない?
ビットコインが犯罪に使われているのは事実みたいだけど、ビットコインって悪いものなのかな。
ビットコイン自体は詐欺ではないし、悪いものでもないよ。
例えば、不動産投資詐欺や還付金詐欺は多く発生しているけれど、「不動産」や「還付金」自体は詐欺ではないよね。
ビットコインも投資詐欺に悪用されることはあるけど、ビットコイン自体が詐欺という訳ではないんだ。
日本ではまだあまり馴染みのないビットコインですが、日本を含む多くの国で合法的なデジタル資産として認められており、国際送金や投資などの金融活動に実際に利用されています。
改ざんが極めて難しい技術や、世界中の何千ものコンピューターが分散して管理するシステムなど、ビットコインはこれまでの通貨にはない性質を持つのが特徴です。
世界中の企業がビットコイン関連事業に取り組んでいる他、エルサルバドルやスイスのルガーノ市はビットコインを法定通貨として採用しています。
ビットコインって、何となく日本でしか買えないようなものだと思ってたけど、世界中で売買されているのは知らなかったよ!
日本でも楽天・LINE・メルカリとか、有名な企業がビットコイン関連の事業を行っているんだね。
アメリカではビットコインは金(ゴールド)や石油と同じくコモディティ(商品)として扱われているよ。
2024年1月にはビットコインの現物ETFが承認されて、ビットコインの市場規模がどんどん拡大しているんだ。
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「ビットコインはやめとけ」と言われる理由
ビットコイン自体が悪いものじゃないなら、どうして「ビットコインはやめとけ」っていう意見があるんだろう?
日本的な考え方が、ビットコインのマイナスイメージにつながっている側面はあるかもしれないね。
日本では「よく分からないもの」や「何となく難しそう」なものを敬遠する人がおり、「怪しいと聞いたから何となく怪しい」と考える人がいるようにも感じます。
以下はビットコインに対する国別の意識調査の結果です。
世界的に見て、日本は「ビットコインを怪しい」と感じる人の割合が非常に多く、「ビットコインに楽観的」と答えた人が圧倒的に少ないことが分かります。
世界的に見て、日本ではビットコインを楽観的にとらえている人がダントツで低いという調査結果が出ているんだ。
イメージがここまで悪いのはすごく残念だよ…。
「どちらでもない」が多いのも、何だか日本人っぽい感じだなぁ。
ビットコインの初期の頃は、多くのビットコインが日本の取引所で売買されていたって聞いたことがあるけど…今ではすっかりビットコイン後進国っていう感じがするね。
仮想通貨に対するイメージを日米で比較
アメリカと比べて全然違う結果が出ているよ!
ここまで反対意見なのはすごいね…。
投資をしている人・投資比率を日米で比較
日本では投資に否定的な考えを持つ人が多く、投資全般に慎重な姿勢が見られます。
日米に拠点を持つ仮想通貨取引所のビットフライヤーの調査によると、日本では「投資をしていない」と回答したのが7割以下、アメリカでは「投資をしている」と回答したのが8割以上だった模様です。
日本ではビットコインに対し、価格の値動きが大きい金融商品というイメージが広がっており、「投資して損をするかもしれない危ないもの」という認識が持たれているのかもしれません。
確かに、「働くことが尊くて、投資は楽して稼いでいる」みたいな風潮はあるかもしれないね。
「投資」という言葉だけで拒否反応を持つ人も多くいそうだよ。
投資は損をすることもあるし、詐欺的な投資ビジネスが行われていることもあるけど…投資全てを否定するのはちょっと過剰反応な気がするな。
そういう意味では、投資対象としてのイメージが強いビットコインは、日本だと相性が悪いかもしれないね。
仮想通貨の事件簿・死亡者が出た海外の事例
海外でも仮想通貨に関連する事件は起きているのかな?
死亡者が出ている海外の事件をいくつか紹介するよ。
- 億り人インフルエンサーが死亡
→Instagramフォロワー90万人以上のアルガバ氏が殺害される - MakerDAOの共同創業者が海流に流され死亡
→MakerDAO・Balancerなど複数の仮想通貨プロジェクトに貢献したニコライ・ムシェジアン氏が死去。享年29歳 - 仮想通貨企業アンバーグループの共同創設者が死亡
→クランダー氏が就寝中に急死。享年30歳 - 仮想通貨取引所「ファーストメタ」の女性経営者が死亡
→シンガポールの自宅内でオータム・ラドキー氏の遺体が発見される。享年28歳
海外では仮想通貨業界で有名な人が亡くなる事例があるんだね…
原因は一概には言えないけど…多額の仮想通貨を持っていることで、脅迫などの犯罪行為を受ける可能性はあるかもしれないね。
自分が保有するビットコインの枚数などは、他の人に言ったりSNSで発信したりしない方がいいよ。
【まとめ】ビットコイン事件簿・死亡者が出た事例
ビットコイン事件簿・ポイントまとめ
- ビットコインの投資セミナーや運用ビジネスがきっかけとなり、死亡者が出た事件が日本で起きている
- マルチ商法(ネットワークビジネス)は自分が被害者になるだけでなく、加害者になる可能性もある仕組みで、トラブルの原因になりやすい
- ビットコインが犯罪に悪用される事例はあるが、ビットコイン自体は悪いものではなく、海外で広く売買・活用されている
ビットコインに限らないけど、うまい儲け話を人から持ち掛けられたら裏がありそうって警戒しないといけないね。
金銭トラブルに発展して、取り返しのつかないことになってしまうかもしれないよ。
「必ず利益が出る!」「元本保証!」といったフレーズには要注意だよ。
知り合いからの紹介だったとしても、毅然とした態度で断るようにしよう。
ビットコインって何だか難しそうだし、よく分からないから何となく不安だったけど、他にも色々知りたいなって思ったよ。
ビットコインについて、もっと知っとこ!
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執筆者:Shigeru Minami
「知っとこ!ビットコイン図鑑」制作者。
ビットコイングッズのハンドメイド作家として活動中。